答えは「食べる量と質」にありました。

調査対象の一部では、食事に占める超加工食品(UPF:ウルトラプロセスドフード)の割合も記録されていました。

このUPFとは、スナック菓子、清涼飲料水、冷凍食品、レトルト食品など、加工工程が多く、味や見た目が工夫された食品のことです。

すると、超加工食品を多く食べている人ほど体脂肪率が高いという相関が見つかりました。

逆に、肉の消費量などはそれほど肥満と関係がなかったのです。

超加工食品は「とにかく美味しく、つい食べすぎてしまう」ように作られています。

さらに消化しやすく、体に吸収されやすいため、摂取カロリーのうち多くが脂肪として蓄えられやすいという特徴もあります。

つまり、「どれだけ運動するか」よりも「何をどれだけ食べているか」が、体脂肪のつき方により大きく影響していたのです。

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Credit: canva

この研究は、肥満の背景にあるのが「運動不足」ではなく、「食生活の変化、とくに超加工食品の増加」であることを世界規模で示した画期的なものです。

もちろん、運動が不要というわけではありません。

運動は心臓病の予防やメンタルヘルスの改善など、多くの健康効果をもたらします。

でも「太らないためにはジムに通えばいい」という考え方だけでは足りないのです。

大切なのは、普段の食生活を見直すこと。

特に、加工度の高い食品を「手軽だから」「美味しいから」と無意識に食べ続けている人は、一度その習慣に目を向けてみる必要があるかもしれません。

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参考文献

Obesity more likely caused by high calorie diet than lack of exercise
https://medicalxpress.com/news/2025-07-obesity-high-calorie-diet-lack.html

元論文

Energy expenditure and obesity across the economic spectrum
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2420902122