株式投資の醍醐味は、自分で探して買った銘柄の株価が値上がりして、値上がり益を得ることだろう。超低金利が続く現状、数パーセント値上がりしただけでもうれしいが、2倍、3倍になればさらにうれしいはずだ。なかでも、株価が10倍になることをテンバガーと言うが、テンバガー銘柄は誰にでも見つけられる可能性がある。
景気が好調な時には多くの銘柄の株価が上昇するが、10倍になる銘柄は限られる。テンバガー銘柄にはどのような特徴があるのか、大化け期待の有望成長株投資について解説したい。
大化けする銘柄を探すために必要な準備
以前配信した「株価10倍も夢じゃない?どんな銘柄が『テンバガー』になったのか」の記事では、ここ数年で、株価が10倍になった身近な銘柄をいくつか紹介した。私たちの生活に密着した身近な企業が多く、実際に利用したことがある人も多かったことだろう。
数多くある企業の中で、株価が大化けする企業とそうでない企業の違いはどこにあるのだろうか?
株価が大化けする企業には、業績が好調な企業が多く、かつ将来性があるため、さらなる業績の飛躍が期待できる場合が多い。しかし、株式市場には、数千にものぼる企業が上場している。身近な企業という観点で銘柄を探すことはできるが、選んだ銘柄の株価が大化けするとは限らない。
そこで、企業の業績が好調であるかを調べるためには、銘柄のカタログである「会社四季報(東洋経済新報社)」を参考にすると、手っ取り早く企業の情報を収集することができる。会社四季報の発売月は毎年3月、6月、9月、12月。株式投資を行うことを検討しているのであれば、一度は読んでおきたい書籍の一つだ。
「会社四季報」の中身は、会社の名前や住所、事業内容といった基本情報に加え、財務内容から業績、主要株主、加えて発行元である東洋経済新報社記者の取材に基づいたコメント記事等が掲載されている。欄外には簡単な株価チャートやフェイスマークも掲載されているので、株価動向も確認できる。大化け銘柄を探すなら、コメント記事欄と業績欄は必ず読まなければならない。
コメント記事欄とは、東洋経済新報社の記者の取材に基づいた記事である。今後の株価動向を考える上で将来性があるのかを把握するためにも、「上振れ」「大幅増益」「増配」「最高益更新」「減額」「鈍化」といったコメントに注目する必要がある。購入を検討する際はもちろん、保有株の売買を検討する際にも必ず参考にしたい。
業績欄とは、企業の売上や利益、配当金等の動向を、過去から将来にわたって掲載している。業績が伸びている、もしくは今後飛躍的に伸びる可能性を秘めているのか、数字の動向を見ながら分析する。業績が伸びる可能性があれば株式は買われ、業績が悪化する可能性があれば株式が売られる可能性もあるので、必ず確認しなければならない。
大ヒット商品が誕生するまでは身近でない企業が多い
たとえば、ソニー <6758> やソフトバンク <9984> 、ユニクロを展開するファーストリテイリング <9983> のように、誰もが知っている大手企業も株式市場に上場している。が、たとえば、ファーストリテイリングは、フリースを手軽に買えるようにしたビジネスモデルで一大ブームを巻き起こし、大企業へと成長してきた経緯がある。
同じように、スタートトゥデイ <3092> は、「ZOZO TOWN」の拡大とともに株価は成長した。ガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> は、スマートフォンの登場でソーシャルゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」が爆発的な大ヒットとなり、株価は急成長した。
大ヒット商品が誕生するまでは、それほど身近な企業ではなかった場合も多くある。逆に言えば、当初はあまり知られていない企業だったけれども、私たち消費者に支持されるビジネスやサービスを提供することで企業は成長してきた。あまり知名度が高くない時にこそ大化けが期待できそうな銘柄を発掘しなければならないわけだが、筆者の経験則から言っても、容易なことではないと言える。
簡単ではないからこそ、会社四季報を読むことが大切になる。株価が上昇して大化けするような銘柄は、景気が良い時はもちろんのこと、景気が悪い時でも、私たち消費者に支持されて成長を続けることが多い。それは、決算などを読んでみなければ業績が好調か確認できない。会社四季報や決算の情報などを利用して、個別企業の経営状況、つまりファンダメンタルの分析を行って銘柄を探す方法を、ファンダメンタル分析と言う。会社四季報の発売を機に、有望成長銘柄の発掘に挑戦してみてはどうだろうか。
文・横山利香(CFTe、ファイナンシャル・プランナー)/ZUU online
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