『ジュラシック・パーク』では、有名なキッチンシーンで子どもたちを恐怖に陥れたり、『ジュラシック・ワールド』では、一転して味方となり、主人公のバイクと並走するカッコいいシーンがありました。
サイズも大型バイクと同じくらいあり、攻撃力に優れていました。
しかし、これも科学的根拠はありません。
ヴェロキラプトルは、約8300万〜7000万年前の東アジアに生息しました。
化石から推定される実際のサイズはかなり小さく、大人でも七面鳥ほどしかなかったと言われています。
また、彼らの最高速度は時速60キロほどとかなり速いですが、全速のバイクと並走するほどではなかったでしょう。
10.ティラノサウルス、実は「鈍足」だったかも
シリーズを通して、最も有名なシーンと言えば、巨大なティラノサウルスに追いかけられるシーンでしょう。
主人公たちは、車に乗って全力で逃げますが、それでも追ってくる姿は身の毛もよだつ恐さです。
ところが近年の研究によると、もしティラノサウルスが映画のような速度で走ったら、足がポッキリ折れてしまうことが分かってきました。
研究者らは、コンピューターモデリングを用いて、Tレックスが時速60〜70キロで走ると、骨格が許容できないほどの負荷がかかる、という答えを出しています。
実際は、時速10〜20キロほどの速さで、それも「走る」というより「早歩き」に近かったろうと言われています。
陸上選手なら割と簡単に逃げ切れそうです。ただし、足がすくまない限りは…
まとめ
このように、ジュラシック・シリーズには自由な創作がたくさん盛り込まれていますが、かと言って、デタラメというわけではありません。
劇中で描かれていた「共食い」や恐竜同士の「コミュニケーション」は、化石記録から実際にあったと考えられています。
そもそも、恐竜の実像は化石からしか判断できませんから、専門家の見解にも間違いは多々あるでしょう。