次の崩壊は「グローバル」で「暴力的」

 過去の文明崩壊は、多くの場合、局所的で、人々は生き延びることができた。帝国が滅びても、狩猟や農耕の生活に戻ることができたからだ。

 しかし、ケンプ博士は、次に訪れる崩壊は、これまでとは全く異なると警告する。それはグローバル規模で、そして遥かに破壊的になるという。

** 1. 複雑すぎるシステムへの依存 **  現代社会は、脆弱なグローバル・サプライチェーンに完全に依存している。もしそれが崩壊すれば、すべてが崩壊する。「政府が倒れても、狩猟や農業に戻る」という選択肢は、もはや我々にはない。

** 2. 脅威の規模 **  歴史上の気候変動は、通常、わずか摂氏1度程度の変化だった。しかし、科学者たちは今、地球全体の気温が摂氏3度以上も上昇すると予測している。大規模な森林破壊や資源の枯渇も、過去とは比較にならない規模で進行している。

** 3. 破壊的なテクノロジー **  かつての権力闘争は、剣やマスケット銃で戦われた。しかし、現代の世界には1万発以上の核兵器が存在する。次の崩壊は、人類がこれまで経験したことのないほど、暴力的になる可能性があるのだ。

人類文明の崩壊は「もはや不可避」?5000年の歴史が示す、帝国滅亡の“不気味な法則”の画像2
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))

 過去の崩壊の後には、人々がより健康で自由になるなど、状況が改善することもあった。しかし、ケンプ博士は警告する。現代の単一でグローバル化されたシステムの中では、もはや逃げ場はどこにもないと。

 歴史は繰り返す。彼によれば、文明の崩壊は、もはや単なる「可能性」ではなく、「最も可能性の高い結末」なのである。

 古代の帝国が滅びた道を、我々はかつてないほどのスピードで突き進んでいるのだろうか。テクノロジーは進化したが、人間の愚かさは変わらなかったのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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