
人類文明の崩壊は、もはや「避けられない運命」なのかもしれない。ケンブリッジ大学のある学者が、過去5000年間にわたる400以上の文明の興亡を分析した結果、現代社会に不気味なほど一致する、帝国滅亡の明確なパターンを突き止めた。
格差、環境破壊、そして無謀な指導者たち—。古代ローマやマヤ文明を滅ぼしたのと同じ“致命的な兆候”が、今、我々の目の前に現れているというのだ。「終末の日付を特定することはできない。しかし、5000年の歴史を見れば、我々が直面している軌道がわかる。自滅が最も可能性の高い結末だ」と、彼は警告する。
不平等が文明を滅ぼす—歴史が語る真実
この衝撃的な分析を発表したのは、ケンブリッジ大学のルーク・ケンプ博士だ。彼の新著『ゴリアテの呪い』は、古代中国からローマ、古典期マヤ文明に至るまで、数々の帝国がなぜ滅びたのかを詳細に解き明かしている。
彼の研究によれば、滅亡したすべての帝国には共通する致命的な特徴があった。それは、少数のエリート層が富を独占し、暴力によって大衆を支配する、極端な格差社会である。
「歴史とは、組織犯罪の物語として語るのが最も的確だ」と、ケンプ博士は言う。「それは、ある集団が、特定の領土と人々に対して暴力を行使し、資源の独占を築き上げる物語なのだ」
エリート層が大衆から富を搾取し、環境を破壊し尽くすとき、社会は中身のない抜け殻となり、戦争や疫病、そして崩壊に対して極めて脆弱になる。そして、その引き金を引くのは単純な強欲ではない。ナルシシズム(自己愛)、サイコパシー(精神病質)、マキャベリズム(権謀術数主義)という「闇の三本柱(ダークトライアド)」を持つ、ごく少数の個人なのだという。
ケンプ博士は、かつての支配階級に見られたこれらの有害な特性が、現代のグローバルな指導者層にも現れていると指摘する。ドナルド・トランプをナルシシスト、ウラジーミル・プーチンをサイコパス、習近平をマキャベリストと名指しし、歴史的に崩壊を引き起こしてきたのと同じ特性が、今まさに地球上で最も強力な指導者たちによって体現されている、と彼は主張しているのだ。