ところで先の参議院選でも分析されたように「昔の名前で出ている」政党、つまり自民、公明、共産各党は軒並み票を落とし、立憲もさえませんでした。一方、新興政党が「こっちの水が甘いぞ」と誘い水をし、うまく誘導することができたとも言えます。これは日本人の世代交代、そして社会体質の変化を物語っているのかもしれません。
特に自民党のように巨大組織になると組織内に右から左まで色々な考え方の方がいるし、「あなたに投票してもあなた、実際には何してくれるの?駒の一人?」になりかねないのです。ならば新興政党で若くして「俺、委員長になりました」ぐらいの方が経験も積めてよいのでしょう。
次に諸外国が見る日本です。アメリカや中国などは日本研究が進んでいます。その中で特に気になるのがアメリカが石破政権にどのような評価を出しているのか、先行きをどう見ているのか、であります。私の見立ては「日本は個別企業や個々案件について粘り強くやり抜くチカラを持っているが、日本全体のグリップが落ちている。特に政権の指導力が退化し、リーダーシップを取れないことが将来政治的不安要素となる」と考えているように見えます。特に安全保障は疑問視しているような気配を感じます。
もちろん、世界どの国を見ても政権運営は非常に難しくなっています。韓国や台湾も分裂化していますし、フランスなど一部の欧州の国でもかろうじて体裁を維持しているという感じでしょうか?その点、中国の日本研究チームは今のところ正しい分析をしていて「イシバ以外に誰がいる?」という推し方はなるほど深い読みをしたなと思います。要は自民党の総裁候補とされる面々はどれもなじみがあるけれどこの難局をうまく舵取りして政権を引っ張れる強さは誰が持ち合わせているのだろうというわけです。
とはいえ、弱小政党の党首に首相をやらせるほどまだ日本は寛容ではない(細川政権の失敗はまだ覚えている人が多い)わけです。私は現実的には元首相経験者ぐらいの手腕をもって対応するのが現実的だと感じるのです。ただ、あり得ない候補を上げるなら小池百合子氏は面白い切り口になると思います。(えーという声がうるさいほど聞こえてきそうです。ただ、あれぐらいの度胸と面の皮の厚さが今の時代には必要かもしれません。なんだかんだ言いながら難しい人が多い東京都をうまく引っ張っている実績はあるのです。)