またオーストラリアでも公的補助が進んでおり、国内全体で16人に1人(約6%)がIVF児で、年齢を35歳以上の母親に限れば、10人に1人が体外受精による出産という高い割合になります。
研究チームは2018年以降の伸びも推計しました。
その結果、さらに2018年以降にも追加で約300万〜400万人のIVF児が生まれたと推計されました。
これらを合計すると、2024年時点の累計は世界で約1300万〜1700万人に達すると計算されます。
これは人口2,600万人あまりのオーストラリアの半数以上に相当する規模であり、体外受精が世界中で広く普及し、数多くの命を生み出してきたことがわかります。
体外受精を基本的な権利に

今回の研究では、体外受精(IVF)によってすでに世界で1300万人以上(最大で1700万人)の赤ちゃんが誕生していることが明らかになりました。
これはとても大きな数字であり、体外受精という技術が、子どもを持ちたいと願う多くの人たちにとって、どれだけ大きな助けになっているかを示しています。
もはや体外受精は、特別な人たちだけの医療ではありません。
たとえば、オーストラリアでは全体の約6%、デンマークでは約10%の赤ちゃんが体外受精で生まれているとされています。
(※2022年の確定データでは日本でも約10%が体外受精で生まれていると報告されています。彼らが小学生になったら、30人クラスのうち3人は体外受精を介して生まれてきたことになります)
これは、体外受精が「最後の手段」ではなく、「当たり前の選択肢」として広がっていることを意味します。
しかも、体外受精を利用しているのは、夫婦だけではありません。
独身女性や同性カップルなど、さまざまな家族の形が広がる中で、IVFは新しい命を迎えるための大切な手段になっています。
研究チームは、この技術が医療面だけでなく社会的にも大きな意味を持つと強調しています。