UFOとは「Unidentified Flying Object」(未確認飛行物体)の略である。

ところで現在X上では、同じ「UFO」の名を冠した『日清焼そばU.F.O.』の商品名の意外な事実に「知らなかった…」と、驚きの声が相次いでいるのだ。

画像をもっと見る

■UFOの3文字に、そんな意味があったのか…!

ことの発端は、Xアカウント「雑学を教えてくれるこいしちゃんbot」が投稿したポスト。同アカウントは1日1回、様々なジャンルの雑学を提供しており、その守備範囲の広さで人気を博している。

7月23日の投稿では「日清のカップ焼そば『U.F.O.』は『美味い、太い、大きい』の略」という、衝撃的な事実が明かされたのだ。

■「知らなかった…」と驚きの声

こちらの投稿に対し、Xユーザーからは「そうだったの!?」「知らなかった…」「未確認飛行物体じゃなかったの?」など、驚きの声が相次いでいる。

『日清焼そばU.F.O.』
(画像=『Sirabee』より引用)

そこで今回は、来年で発売50周年を迎える『日清焼そばU.F.O.』について、日清食品に取材を実施。その結果、製品誕生までのユニークすぎるエピソードが多数明らかになったのだ。

■50年前のカップ麺業界、戦国時代だった…

『日清焼そばU.F.O.』が誕生したのは、世界初のカップ麺『カップヌードル』の発売から5年後の1976年(昭和51年)のこと。

『日清焼そばU.F.O.』(発売当時)
(画像=『Sirabee』より引用)

発売当時の業界情勢について、日清食品の広報担当者は「同年4月、日清食品にマーケティング部が設置され、安藤宏基 (現在の日清食品ホールディングス社長・CEO) が、初代部長に就任しました。当時は『カップヌードル』が爆発的に売れていて、続々と他社がカップ麺市場に参入しており、特にカップ焼そばは約10社がしのぎを削る全面戦争の状態でした」と、説明する。

令和の現代では信じ難いが、当時のカップ焼そばは、ほとんどが『カップヌードル』と同じ縦型の容器で、数社が「四角い弁当型」を採用していたという。

当時、マーケティング部長を務めていた安藤氏は「味や香りや具材で、製品の差別化を図るのは難しい」と考え、焼そばを『カップヌードル』と同じような縦型の容器で食べる点にも抵抗を感じていた。

そのため、開発担当者が安藤氏から受けた最初の指示は「容器のバリエーション開発」であった。そして様々な調査を行ない、「焼そばは、皿で食べるもの」という、多くの企業が見落としていた当たり前の結論に到達。

日清食品の広報担当者は「日本人の体に染み付いた習性を大切にし、誰もが美味しいと感じられる容器の形として、円盤型のカップを採用することに決まりました」と、説明している。

さて、容器が決まったら次は「中身」を決めなければならない。

焼そばの魅力について、当時の開発担当者は「焼そばはソースで食べるもの。さらに言うと『ソースの香り』で食べるもの」だと考えた。これを突き詰め、同社では焼そばを鉄板で炒めたときの香ばしいローストフレーバーを再現することに決定。

広報担当者は「『フタを開けたらソースの香りが家中に溢れ、1カ月に何度も食べたくなるガツーンとくるにおい』を目指し、強烈な液体ソースが開発されました。これが『日清焼そばU.F.O.』成功の鍵だったと言えます」と、語っている。