医薬品の開発製造受託事業
このほか、同社の業績を支える事業の一つとして、医薬品の開発製造受託がある。
「当社はさまざまな種類のアミノ酸をグローバルで生産しており、医薬品の原料としてもお使いいただいており、高品質アミノ酸の世界市場で約40%のシェアを頂戴している関係で、グローバルで製薬企業様の顧客基盤を保有しております。例えば発酵でアミノ酸をつくる際に効率の良い発酵方法を開発するために発酵に使う発酵菌株の改良といったバイオの研究も行っており、そうしたなかでさまざまな技術が生まれてきます。このような技術を医薬品の生産でお困りの企業様の課題解決にご活用いただけるのではないか、より高付加価値型のサービスを提供できるのではないかという思いから、40年くらい前に参入したCDMO事業で成長を続けております。
近年では製薬企業様が生産部分をアウトソースしていく流れが続いていることも、当社のCDMO事業の成長につながっていますが、当社は大きな投資をしてバイオ医薬品の受託生産を行うというよりは、当社のオンリーワンの技術を軸にして特定のカテゴリーで高い資本効率の事業を展開しています。
先ほどのABF事業と同様に、技術ドリブンの事業モデルであるため少額の投資で済み、厚めの営業キャッシュフローを創出していくことで、しっかりと株主の皆様にも還元していくということも継続してやっております」
そして主力の食品事業も伸びている。
「ここ数年は海外・国内ともに伸びております。新製品開発に若い社員たちが積極的にチャレンジできる仕組みをつくるのに加えて、部門ごとに分かれていたマーケティング関連・開発関連の機能をマーケティングデザインセンターに集約して、一極集中でお客様のインサイトをデータベース化して解析できるような組織改革を行い、結果的に新製品の販売が好調となっております。昨年度もコーヒー類を除く調味料、栄養・加工食品の売上が数量ベースで前期比5%も伸びています。繰り返しになりますが、組織の壁や縦割りを解消してチャレンジする企業文化に変えてきた成果が出てきていると感じております」
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)