例えば1987年に文部科学省の海洋科学技術センターが開発した波力発電機のコストは63.2円/kWhです。
現在の陸上風力発電の発電コストが9~15円/kWhであることを考えると、当時の波力発電に事業性を見出すことはできませんね。
それでもこうした課題は改善されつつあります。
海に浮かべるだけで「約2万8000世帯分の電力」を生み出す!?

改良を重ねてきたウェーブラインマグネットは、マシン自体が頑丈で軽量になっており、しかもシンプルな設計が採用されています。
そのため製造や輸送にかかるコストを大幅に削減できるようです。
また1つのユニットが生み出す電力が100MWにも達すると言われており、これは約2万8000世帯分の電力に相当します。
これらの性能により、発電コストは1ペニー(約2円)/kWhとなりました。
SWEL社は、「波力発電業界の基準値を下回り、化石燃料発電と同等の能力をもつようになる」とさえ主張しています。
この主張が実際にどこまで実現するかは分かりませんが、波力発電機としての性能は着実に向上しているのでしょう。

さらにウェーブラインマグネットは、海岸に到達する波の力を弱めることもできます。
複数のウェーブラインマグネットを配置することで、大量に発電しつつ、海岸周辺を守ることもできるのです。
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参考文献
this spine-like floating device can convert wave power into electricity
https://www.designboom.com/technology/sea-wave-energy-limited-waveline-magnet-floating-device-08-16-2022/#