これにより、エネルギーの損失を防ぎ、核融合反応を持続させることが可能となります。このようにクリーンな未来のエネルギーを作るためにプラズマの理解は極めて重要になっているのです。

またプラズマを利用した医療技術も進展しています。

ガス放電などを利用した低温プラズマは、創傷治癒において非常に効果的だとする研究が報告されています。

プラズマが生成する活性酸素種(ROS)や活性窒素種(RNS)は、細胞の再生を促進する効果があり、これにより、傷口の治癒が速くなり、感染のリスクも減少するというのです。

また同様の理屈で殺菌に役立つという報告もあり、プラズマが生成する活性酸素種は、がん細胞に対して選択的にダメージを与えることができるため、周囲の正常な細胞を傷つけることなく、がん細胞を破壊できる可能性があるとして研究しているグループもいます。

いずれも従来の治療法に比べて副作用が少ない利点があり、未来の治療法として期待されています。

さらにプラズマ分解により有害物質を無害化するなど、大気汚染物質の除去や廃棄物処理にも応用できる可能性があると言われています。

プラズマ物理学の応用は非常に広範であり、現代の技術と生活の多くの側面に大きな影響を与えています。これからも多くの革新が期待される分野なのです。

宇宙でもっとも熱い場所は10兆℃の灼熱地獄になる!

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参考文献

Introduction To Plasma Physics I(MIT)
https://ocw.mit.edu/courses/22-611j-introduction-to-plasma-physics-i-fall-2006/pages/readings/

plasma(Britannica )
https://www.britannica.com/science/plasma-state-of-matter

Irving Langmuir(Britannica )
https://www.britannica.com/biography/Irving-Langmuir