しかし、中国の医薬品産業は本当の意味での独創的イノベーションが十分ではなく、研究の均質化、価格引き下げによる収益性の課題などにも直面している。それに対応するため、2024年には「革新的医薬品フルチェーン支援計画」が発表されて、制度の最適化、市場アクセスの改善、資金支援のさらなる強化が図られた。中国のゴールは2035年までに真の医薬品イノベーション強国となることだ。
日本には人的資源以外の資源はない。高齢化と医療介護費の増加に苦慮している。「和をもって尊しとなす」ではこの国は生き残っていけない。社会インフラの整備も、労働人口の確保も必要だが、そのためには国の経済を支える基幹産業として、医療産業を育てることが急務だ。
医療に国境はない。しかし、日の丸印の医薬品で治療してほしいと願っている。
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編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2025年7月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください