気候変動や極端な気象を人間の二酸化炭素排出に帰属させることには、自然におこる気候の変動、データの不足、およびモデルの内在的な欠陥により、問題があります[第8章]。さらに、20世紀後半の温暖化への太陽活動の寄与は過小評価されている可能性があります[第8.3.1節]。
モデルと経験の両方から、CO₂による温暖化は、一般的に考えられているよりも経済的な悪影響を及ぼさない可能性があり、過度に積極的なCO₂削減政策は、有益ではなく有害な結果を招く可能性があることが示唆されます [第9章、第10章、第11.1節]。二酸化炭素の排出による経済的損害を定量化しようとする「二酸化炭素の社会コスト」の推計は、その前提条件に非常に敏感であるために、独立した情報を提供する能力は限定的です [第11.2節]。
米国のCO₂削減のための政策措置は、地球の気候に与える直接の影響は検出不可能なほど小さく、いかなる影響があるとしても、長期的な遅延を以て現れることになります [第12章]。
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『データが語る気候変動問題のホントとウソ』