特に日本海の大陸棚上や離礁周辺での底曳網混獲物として出現頻度が高く、物生産量が比較的貧困とされている日本海中層水塊内生物群集中の優占種の一つだそうです。
本種は見た目の悪さに加え、まとまった漁獲がないことから食用としている地域は少ないものの、スルメイカの漁獲量が低迷している近年の日本ではドスイカが潜在的な資源として注目されつつります。
最近、兵庫県浜坂漁協所属の底曳網船が行った調査では、大和堆西部で漁獲量が多いことが判明。この調査では実際にドスイカの販売も実施しており、無選別の冷凍ブロックが1kg300~400円、綺麗に並べたものでは1kg600円だったそうです。
調査を実施した船は調査後もドスイカ釣りを継続しており、採算が取れるか検証しています。
大和イカとして流通
地元ではドスイカの加工試験も行われており、「大和イカ」の名前で食用として流通。天丼などにして地元飲食店で提供されているようです。
また、北海道の羅臼町では刺網により漁獲されたドスイカを水揚げしており、スルメイカの漁獲低迷に伴い浜値が上昇しているといいます。
気になるドスイカの味ですが、水分が多く肉質は柔らかいものの、味と香りはスルメイカに近く、美味だそうです。
ドスイカが食卓に上がる日も近い?
スルメイカの漁獲量が低迷する現在、新たな原料として注目されているドスイカ。このイカが我々の食卓に上る日も近いのかもしれません。
一方、スルメイカの資源管理はもちろんのこと、ドスイカの資源についても引き続き議論し、適切な資源利用が望まれているでしょう。
<サカナト編集部>