日差しが厳しいこの時期、電車やバスに乗った瞬間に感じるエアコンの冷気は格別である。
しかしX上では、路面電車内で発見された「予想外すぎるエアコン」に、驚きの声が相次いでいたのをご存知だろうか。
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■この電車、何かがおかしい…?
ことの発端は、フリーアナウンサー・堀若菜が1日に投稿したポスト。
電車内の写真が添えられた投稿には「函館市電の暑さ対策、それは“車内にルームエアコン”」と、思わず首を傾げてしまうような1文が綴られている。
しかし、写真をよく見て納得。なんと車内には、確かに一般家庭で使用されている「ルームエアコン」が設置されていたのだった。
■「この発想はなかった」と驚き
日頃見慣れたルームエアコンが「電車の中に設置されている」というアンバランスな光景は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「この発想はなかった」「室外機はどこにあるんだ」「最近になって無理やり取り付けたのかな」「電車に取り付けられるんだ!?」など、驚きの声が多数寄せられていた。

なお、気になる室外機の設置場所だが、こちらは「屋根上」というストロングスタイルを採用している模様。こちらの絵面のインパクトも相当なものだろう。
そこで今回は、路面電車にルームエアコンを設置した経緯をめぐり、函館市企業局交通部安全管理課に詳しい話を聞いてみることに。その結果、意外な「函館の夏」事情が明らかになったのだ。
■新たに空調を設置しようとしたが…
家庭用ルームエアコンの詳細について、函館市の担当者は「2021年度に車体改良工事を行なった際に搭載しました」と、説明する。
加えて、当時の事情について「お客様より冷房の効いた車両の利用要望が多く、当時は客車30両のうち、空調装置の搭載車両は8両のみでした。電車用空調装置は車体形式ごとの専用設計となるため、非常に高額となることや、重量があるため車体の剛性を強化する必要もあり、既存車両へ搭載することは非常に困難でありました」と、振り返っていた。
しかしそんな折、高知県高知市に本社を置く「とさでん交通」にて、車内への家庭用ルームエアコンの搭載実績があるという情報をキャッチ。

こちらを踏まえ、担当者は「搭載について課題を整理したところ、技術的および費用的に現実的であると判断できたため、今回話題となった8101号車へ搭載することとしたものです」と、説明していた。