北海道コンサドーレ札幌 写真:Getty Images

7月12日に第23節が開催された2025明治安田J2リーグは、シーズンの折り返しを越え佳境に差し掛かっている。1年でのJ1復帰を目指す北海道コンサドーレ札幌は、現時点で11位と苦境にあえいでいる。

残り15試合となった今シーズン、自動昇格圏の2位に位置するジェフユナイテッド千葉と札幌の勝ち点差は「10」。幸いにも8月の試合は順位が上のサガン鳥栖(現4位)やV・ファーレン長崎(現8位)、RB大宮アルディージャ(現5位)と直接対決が予定されており、これらを全勝することが昇格戦線に生き残るための絶対条件となるだろう。

ここでは、札幌が順位を上げるために解消すべき3つの課題を紹介していく。


ジュビロ磐田 写真:Getty Images

守備の脆さとスカウティングの甘さが露呈

シーズン前半を13位で折り返した札幌。後半戦は、大型連勝で勝ち点を量産することがJ1復帰のために必要な要素とされていた。しかし、第23節のジュビロ磐田戦では1-5と大敗を喫してしまった。5月6日に磐田と対戦した第14節(2-4)に近い形での敗戦であり、修正力の低さやスカウティングの甘さが露呈した。

前回対戦での戦い方を振り返れば、磐田のMF倍井謙が右サイド裏を狙ってくることや、MFジョルディ・クルークスの高精度クロスやシュートを封じ込めなければいけないことは分かっていたはずだ。それにもかかわらず、今節では何度もサイドのスペースを突かれ、クルークスに至っては、ほとんどの場面でフリー状態からクロスを上げられて多くの決定機を作られてしまった。

第22節で磐田に勝利したロアッソ熊本は、クルークスを徹底的に封じる戦術で2-0と完封に成功している。熊本の戦い方にも十分ヒントは隠されていたはずだが上手く活かせず、結局、昇格争いのライバルである磐田にシーズンダブル(※)を喫する形となってしまった。