「彼ら」は核を監視しているのか?研究者が示す2つの仮説

 この不気味な相関関係は何を意味するのか。研究者たちは「エイリアンだ」と断定しているわけではない。しかし、いくつかの興味深い仮説を提示している。

 一つは、UFOファンの間で長年語られてきた説を補強するものだ。トランジェントの正体の一部は、地球の高高度軌道や大気圏内を移動する「人工物(=UAP)」であり、核兵器に引き寄せられている、という可能性である。

 もう一つはより現実的な仮説で、核爆発や放射性降下物が、我々の知らない未知の大気現象を引き起こしているというものだ。その現象がUAPとして目撃され、天文写真にはトランジェントとして写るのかもしれない。しかし、この仮説では、なぜ光が線ではなく「点」として観測されるのか、完全には説明がつきにくいという。

 いずれにせよ、研究者たちは、この発見が「UAP現象の妥当性と、核活動との潜在的な繋がりを裏付ける経験的証拠だ」と結論付けている。目撃証言だけでなく、客観的なデータがその関連性を示唆したことは、大きな一歩と言えるだろう。

期待と憶測、「本命」の発表はこれからか?

 実はこの研究が発表される直前、UFOコミュニティは別の話題で持ちきりだった。スウェーデンの潜水調査チームのメンバーが、「ビジャロエル氏は宇宙の理解を覆すような、とてつもない発見をした」とSNSで発信し、憶測が広がっていたのだ。特に、海底の謎の巨大構造物「バルト海の異物」との関連を期待する声が多かった。

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 しかし、ビジャロエル氏本人は今回の論文発表に際し、「これは皆が考えている研究ではない」とSNSで釘を刺している。そのためファンの間では、「今回の論文は、より衝撃的な“本命”の発表に向けた地ならしではないか」という新たな期待が生まれている。

 長年のオカルト的な噂が、科学のメスによって少しずつ現実味を帯びてきた。今回の研究はまだ序章に過ぎないのか、それともこれが結論なのか。約束された「大発見」が本当に現れるのか、今後の動向から目が離せない。

参考:Portal Vigília、ほか

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