■牛乳と乳飲料の違いって何だ?

先述の、勘違いから『あじわい便り』を購入してしまったポストが話題になった際、同製品を販売する「森永乳業」に、牛乳と乳飲料に関する取材を行なった。

すると、森永乳業の担当者は「『牛乳(成分無調整牛乳)』は、原料は成分無調整の生乳(搾ったままのお乳)のみ。それ以外の水や他の原材料を混ぜてはならず、乳脂肪分:3.0%以上、無脂乳固形分:8.0%以上となっています」「一方で『乳飲料』とは、生乳または乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えたものです。たとえばビタミン、ミネラル、などを加えて栄養を強化した商品や、コーヒー、果汁などを加えて嗜好性を高めた商品などがあります。また、乳固形分(牛乳から水分を除いた成分)が3.0%以上、という決まりもあります」と、それぞれの特徴・定義の違いについて説明してくれたのだ。

『森永のおいしい牛乳』
(画像=『Sirabee』より引用)

同社の商品で代表例を挙げると、「牛乳」は『森永のおいしい牛乳』、乳飲料は『森永 あじわい便り』『PREMiL』などが該当する。

■森永乳業は「消費者が求めている要素」に注目

このように、森永乳業では「牛乳」「乳飲料」のどちらでも、高い人気を博す商品を展開している。

それだけに、半数近くもの人が「牛乳を乳飲料と勘違いしていた」という事実を真摯に受け止めつつ、「違いを知ってもらいたい」という思いもあるようだ。

今回の結果を受け、同社の担当者は「牛乳に求められている要素はカルシウム、たんぱく質などのミルクの『栄養素』と、ミルクの『味わい』の2点となります」と、前置き。

その上で「当社の『あじわい便り』のような乳飲料も、上記2点は満たしておりますので、多くの方にとっては、牛乳も乳飲料も同じように捉えて頂けているのでは、と考えております」と、分析していた。

乳飲料
(画像=『Sirabee』より引用)

いち消費者としては、この分析に納得である。個人的には、スーパーの売り場で「牛乳」と「乳飲料」が同一のコーナーにまとまっている点も、誤解を誘発するひとつの原因では…とも感じていた。

森永乳業からは、「当社としても、牛乳に求められている2点を提供させて頂くことで、無調整牛乳、乳飲料の様々なラインナップを発売しております。お客様によって価格や味わい、用途などで使い分けて頂ければと考えております」とのコメントも得られている。

話題の『あじわい便り』は、ミルクの栄養とコクを手軽に、気軽に「ごくごく飲んでもらいたい」という思いから開発された商品である。

森永乳業の担当者は「乳飲料ならではの、すっきりとしながらも飲みやすい味わいで、コーヒーや紅茶、料理にも合いますので、毎日の健康にお役立て頂ければ嬉しいです」と、その魅力について語ってくれた。

頭で分かっていても、自身の身で体験しなければ、知識はなかなか身に付かないもの。牛乳を乳飲料と誤解していた人は、ぜひ一度『あじわい便り』を飲んで、「牛乳」との違いを確かめてみてほしい。