テーマは「数十年ぶりの両トロコン」。神奈川県厚木市にある厚木へら鮒センターの大池に入り、果敢に攻める吉田。途中、上ずる魚に踊らされながらも何とか態勢を立て直して復活した。
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(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
竿が曲がらない
吉田の勇姿?を撮影しようと大池の外側をぐるりと一周しながらカメラを構える記者。時刻は暑さが身に染みだした9時前後だったはずだ。
吉田が座っているのは大池の垣根側でコイ池寄り。一方、記者はその対角線側。そこから望遠レンズを持ち、吉田が絞るシーンの撮影を始めた。ところがいつまでたっても竿を絞らない。カラツンだったりスレだったりと、まともに竿が曲がらないのだ。
離れているので大声で声をかけるわけにもいかず、心の中で記者はこう叫んでいた。
「おいおい、いい加減にしてくれよ。そろそろ竿を曲げてくれないと」
吉田にしてもわかっていたはずだ。記者がカメラを構えているのだから早く竿を絞らなれば、と。
ところが一向に言うことを聞かない魚たちに業を煮やしたのか、吉田は記者がカメラを構えているにもかかわらずセッティングの見直しを始める。いやいや、釣るための所作なのだからそれは仕方がないことなのだが、記者にしてみれば「おいおい、この場に及んでかよ」と、ため息を漏らしてしまう。
記者からは遠目なので吉田が何を調整しているのか、詳細はわからなかった。だが何かを変更したのは間違いなく、さらにその直後からそれまでとは打ってかわって竿が曲がりはじめた。
いいよいいよ、その調子その調子!
トントン拍子で撮影は進み、一気に正面取りまで終えて吉田の釣り座に戻る記者が開口一番。
さっき何やったの?
「ウキを替えたんですよ。あの時はすいませんでした」
いやいや、気にすることはないよ。それも仕事のうちなんだから。
などと思ってもいない発言をする記者。