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「最近、何をやっても続かない」 「すぐに飽きてしまう」 「自分は意志が弱いのかも」

そんな悩みを抱えている人は少なくないでしょう。新年に立てた目標も、春になる頃には忘れてしまい、自己嫌悪に陥る。そんな経験、誰にでもあるはずです。

でも、ちょっと待ってください。それは本当にあなたの「甘え」なのでしょうか?

「精神科医が教える! 心がスッと軽くなる93の処方箋」(樺沢紫苑 著)PHP研究所

やる気は「出す」ものではなく「出る」もの

多くの人が誤解していますが、やる気は努力して出すものではありません。特定の条件が揃ったときに、自然と湧き出てくるものなのです。

その条件とは何か。それは「報酬の予感」です。

脳は、何かいいことが起きそうだと感じると、ドーパミンを分泌します。宝くじを買うときのワクワク感、好きな人からのLINEを待つときのドキドキ感。これらはすべて、ドーパミンによって引き起こされる感情です。

つまり、やる気を出したければ、「がんばる」のではなく「報酬を設定する」ことが重要なのです。しかし、ここで問題があります。現代社会では、多くの目標が長期的で、すぐに報酬が得られません。ダイエットも、資格取得も、スキルアップも、結果が出るまでに時間がかかります。そこで有効なのが「スモールステップ戦略」です。

例えば、「3ヶ月で5キロ痩せる」という目標を、「今日は階段を使う」「明日は一駅歩く」という小さな行動に分解します。そして、それぞれの行動に小さな報酬を設定するのです。

階段を使ったら好きなコーヒーを飲む。一駅歩いたら、お気に入りの音楽を聴く。こうした小さな報酬が、脳に「成功体験」として認識され、次の行動への意欲を生み出します。

自分に優しくあることの大切さ

「気合いが足りない」 「甘えるな」 「もっと本気を出せ」

こうした言葉は、一見すると励ましのように聞こえます。しかし、脳科学の観点から見ると、これらは逆効果でしかありません。