完全自立型の2way物流網

 フルクラウド化によって見込まれる効果・メリットは何か。

「当社の業態における固有のメリットというよりは、一般論ではありますが以下のような効果を期待しています。 (1)機器の調達や運用コストの削減  ・機器導入のリードタイムや初期設定コストの削減  ・オンプレミスで必要となる多額のハードウェア購入(導入)費用の削減  ・運用コストの削減(監視等も含めた機器の維持費)  ・機器更改サイクルからの脱却 (2)事業継続性とセキュリティの向上  ・堅牢なデータセンターによる自然災害時の事業継続リスクの低減  ・自社単独では難しいレベルのセキュリティ対策がなされたサービス (3)拡張性と利便性の向上  ・ビジネスの拡縮に応じてスケールアウト/スケールインが容易  ・インターネット環境であれば接続可能となることによる働き方多様化への対応  これらのメリットを享受することは、デジタルトランスフォーメーションを加速するうえで重要な要素と捉えています」

 カクヤスの現在の主要事業は酒類等の食品、日用品等の販売・配達だが、フルクラウド化は、より広く配送サービス事業を展開するなど事業拡大、さらなる成長戦略の一環という位置づけなのか。中長期的な事業計画・戦略について同社はこう説明する。

「ひとまいるは、現在の酒類を中心とした小売りと配達の事業から、今後は自社商品だけでなく、他社のものも含めた幅広い商品を配送する事業へとグループ全体で転換をしていきます。カクヤスの店舗は店頭販売だけではなく、配送拠点として機能しています。また、全ての商品を自社で配送しているため、単純な配達だけではなく、お客様から商品などを回収することも可能です。この完全自立型の2way物流網を、プラットフォームとして様々なお客様に活用いただけるよう事業価値の最大化を進めていきます」