そのため、YouTubeなどを見て「俺は人の知らない情報にアクセスしている」と信じ込んで、社会を変えようと力んでいる人たちが増えています。今回の選挙では、それが可視化された印象があります。

情報は疑って読むものだし、本は批判的に読むものです。これはリテラシーの基本ですが、信じるところから入る人たちが多すぎます。これは、自衛隊大好きな大本営軍オタクおじさんたちも同じです。排泄物をカレーだと信じておいしいと食べている人たちを説得することはできません。

ある意味、新興宗教の信者と同じですから、ロジックで説得することは不可能です。

さて、石破政権ですが、今後も続くと思います。確かに議席は減らしました。ですが、それは日本経済と政治、行政組織を荒廃させた安倍晋三に対する批判が多かったのです。石破さんがやってきたのは、その後始末であり、決して華やかな仕事ではありません。

ところが、安倍氏の子分たちは選挙中ですら倒閣運動を行っていました。自分たちの乗る船が沈み始めているのに、船底に穴を開けようとしていたのです。あまりに浅はかです。しかし、前回・今回の選挙を通じて、旧安倍派の多くの議員が落選しました。与党は過半数を取れなかったものの、石破さんの背後から弾を撃つ存在は大きく減りました。

これから石破さんは、ある程度フリーハンドで自身の政策を実行できるのではないでしょうか。個人的には、防衛費の抑制や、現在の五カ年計画に続く防衛計画の策定を、より合理的で持続可能なものにしてほしいと考えています。

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