6500万年の時を超えた“証拠”か、巧妙な偽物か…「アカンバロの恐竜土偶」が突きつけるミステリーの画像1
(画像=画像は「The Ancient Code」より)

 人類が地球に誕生したのは約20万年前。そして、恐竜が絶滅したのは約6500万年前――。これは我々が学校で習う歴史の常識だ。両者の間には、決して交わることのない、途方もない時間の隔たりがある。

 しかし、もしこの常識が、根底から覆されるとしたら?

 メキシコのアカンバロという小さな町で発見された、3万点を超える奇妙な土偶群。それらは、まるで我々の歴史観をあざ笑うかのように、「人間と恐竜が共に暮らす」という、ありえないはずの光景を描いていた。

奇妙な発見、3万点以上の「恐竜土偶」

 物語は1944年に始まる。ドイツ人商人のヴァルデマール・ユルスルートが、メキシコのアカンバロで馬に乗っていると、地面から突き出た奇妙な焼き物を発見した。それは、彼がこれまで見たこともないスタイルの土偶だった。

 興味を惹かれたユルスルートは、従業員に「見つけた分だけ買い取る」と約束し、発掘を依頼。すると、数日のうちに何十体もの奇妙な土偶が集まってきた。ユルスルートは捏造を防ぐため、完全な状態のものだけに代金を支払い、壊れたものも全て引き取るという契約を結んだ。

 最終的に、地下約2メートルの深さから見つかった遺物は、セラミックを中心に石や翡翠なども含め、3万2000点以上にものぼった。驚くべきことに、それらは全てデザインが異なり、一つとして同じものはなかった。

 そして何より奇妙だったのは、そのモチーフだ。土偶は、人間が恐竜にまたがったり、まるで家畜のように小さな恐竜を飼い慣らしたりする様子を、生き生きと描いていたのである。

6500万年の時を超えた“証拠”か、巧妙な偽物か…「アカンバロの恐竜土偶」が突きつけるミステリーの画像2
(画像=ByFchavez2000–Own work,CC BY-SA 4.0,Link)