小さい頃からこれを食べて育ってきたのだろう。違和感を感じたのはそのメバル達を横から観察しようとしたときである。よくよく見ると、明らかに普段釣っているメバルとは様相が異なっていたのだ。

「水族館のメバルが怖い?」元釣具屋店員の記憶に残る釣り&サカナにまつわる小話3選これくらい大きな目だった(提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

画像はイメージ用に私が加工したものだが、これくらいに目がデカかったのだ。元々メバルは目が大きい魚だがこの水槽のメバルは全てさらに目が大きい。毎日明るい環境で上から落ちてくるペレットを見逃さないようにしているからだろうか。

人間も繰り返し運動で身体に変化が起こるが、目が大きくなるのは凄い変化だ。なぜ目が肥大化したのかは分からないが、見慣れているが故に少し怖いと思った経験だった。

基本は大事!な話

私がまだ半人前の釣具屋店員だった頃の話だ。店舗の上司らと3人でボートエギングに行くことになった。私は初めてのボートエギングで、陸上からのエギングとの違いに苦戦していた。

着底すらろくにわからない状態だったので自分の中の基本に立ち返り、自分の釣りの中ではいつもトップバッターに選ぶエギ王ライブサーチ3号を水深×3秒カウントして3回シャクる、6カウントでまたシャクる、をひたすら繰り返した。

シャクり方もベーシックな糸ふけを出して行うスタイルで、ジャークや段シャクりのような応用技はしない。

「水族館のメバルが怖い?」元釣具屋店員の記憶に残る釣り&サカナにまつわる小話3選基本アクションが釣果に直結した(提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

それらが功を奏したのか、釣果は竿頭だった。間違いなくエギングの技量では上司らに劣っていた自分に何故一番の釣果が出たのかは分からない。

3号のエギが良かったのか、ラトルが良かったのか、ベーシックなシャクりが効いたのか、それら全てが要因だったのかもしれない。ただ、自分の中で未知のエリアに足を踏み出す場合、一度立ち返る基本は持っておくべきだなと痛感した日であった。

<檜垣修平/TSURINEWSライター>