コメですが、一部の農業関係者が激おこのようですが、それは十分理解していないと思います。要は77万トンのコメは輸入せざるを得ないのです。だけど日本が食用として輸入しているのは13%程度の10万トン程度でした。つまり残りは飼料であります。アメリカからのコメを増やすというのが食用なのか飼料なのか、判明しません。私の考えは備蓄米をアメリカ産のコメにすればよいと考えています。備蓄米は5年で飼料にしていたと記憶していますので通常の年なら備蓄米の20%ずつが餌になっていったわけです。コストが高い一方品質が良い日本のコメをそういう使い方をするのはあまりにももったいないわけで今回備蓄米が空になったのだからアメリカ産米をそこに投入すればウィンウィンでしょう。
結局、今回の関税交渉で見たのは双方にとってメリットあるディールは何か、ということでした。言い換えればトランプ氏が「関税を課すぞ」と言いそれに対して「報復関税だ」とやってしまうと泥沼にはまり、抜け出せなくなるのですが、日本政府は関税が高い安いという直接交渉よりもアメリカやトランプ氏を喜ばせる方法は何か、と考えたのだと思います。

交渉を終えたばかりの赤沢大臣 同大臣Xより
いうまでもなくそのヒントはAI投資をめぐり、孫正義氏とトランプ氏との熱い握手を交わしたことがあったはずで、あのあと、孫氏は政府高官とそのあたりのいきさつを説明しています。その時点でトランプ氏が喜ぶプレゼントはマネーであるが、そのマネーを投資やその支援という金融手法に切り替えたことが功を奏したのでしょう。
もちろん、一部野党からはもの凄い突き上げがあるかもしれません。「アメリカに80兆円?何それ、そのくせ、減税はできないのか?」と。今回の話はある日突然、アメリカに80兆円を差し上げるわけではありません。特に多くは信用供与だと思いますので実弾すら出ないと思います。ただ、日本はアメリカと一心同体であるということを改めて示したとも言えます。