こうみると参政党は極右政党ではなく、自民党がだめになり、野党もバラバラの日本で政治に失望した層が消去法的に生んだ党である。公明党や共産党を生んだ都市下層が高齢化した今、新しい都市下層がブルーオーシャンになったのだ。

オーガニックとネトウヨの二つの流れ

他方で参政党には、東京選挙区で当選したさやのようなネトウヨもいる。彼女は三橋貴明氏や田母神俊雄氏などの番組のMCもやり、神谷代表はこの流れに近い。ただ日本保守党の皇国史観のようなイデオロギーはない。それはこの変なポスターを見ればわかる。

経済政策はほとんど何もない。消費税を段階的に廃止しろというが、その財源を考えているわけでもない。終末期医療の延命措置を全額自己負担にしろという主張は、参政党の公約の中で唯一、傾聴に値するが、思いつきの域を出ない。

学歴は低く、税といえば消費税しか知らない。初期の党是だった反ワクチンや陰謀論も選挙では封印したので、神谷代表の話は支離滅裂である。さやは討論会にはまったく出てこない。カルトにとっては、政策なんかどうでもいいのだ。

初期の公明党も低学歴で、「国立戒壇」という夢以外には何の政策もなく、創価学会婦人部のコミュニティ活動で築き上げた都市下層の組織だった。参政党も政治的には無内容なので、変な憲法改正案などを破棄して考え直せば、意外に普通の党になるかもしれない。