その一方で、フレンチブルドッグは、20の疾患のリスクが非常に高いにもかかわらず、調査した43の一般的な疾患のうち、歩行困難、肥満、望ましくない行動など、11の疾患を発症する率は他の犬種より低かったようです。
これはフレンチブルドッグが、疾患リスクの高い身体的特徴を選択的に排除することで、より健康的な形態へと移行できる可能性を依然として持っている証拠である、と研究チームは指摘します。
オニール氏は、イヌの形態を人為的に変化させることについて、「フレンチブルドッグの外見を時間をかけて変化させるためには、ブリーダーと繁殖基準を公表しているザ・ケネルクラブ(世界最古の畜犬団体)の賛同が必要」と言います。
ザ・ケネルクラブは最近、健康に悪影響となる形態を避けるために、フレンチブルドッグの犬種標準を更新しました。
「これは、イヌの見た目に対する飼い主の願望よりも、彼らの健康を優先させる非常に前向きなステップであり、私たちは今、この犬種をより穏やかな形態に向けて進化させなければならない」と動物疫学者は語ります。

また、イギリス獣医師会会長のジャスティン・ショットン(Justine Shotton)氏は、こう述べています。
「現在、ソーシャルメディアや有名人の影響で、フレンチブルドッグの人気は急上昇しています。
しかし不幸なことに、その愛らしい特徴は、多くの健康問題を覆い隠してしまい、高額な治療費が必要になることがあるのです。
獣医師の間では、フレンチブルドッグを家族に迎える際に、多くの飼い主がこうした問題に気づいていないことが懸念されています。
私たちは、ペットを飼う前に、特定の犬種や交雑種が特定の病気にかかりやすいかどうか、健康診断が必要かどうかなど、よく調べておくことを常におすすめしています」
今後、フレンチブルドッグの健康問題が公になれば、積極的に容姿を変化させる取り組みが進むでしょう。