ただのゲ○です。

話を戻して、未消化の塊がクジラの腸内に入ったとき、そこで分泌されるワックス状の物質が塊を包み込み、腸の粘膜を保護します。

このワックス状の物質は、胆管からの消化液であるアンブレイン(芳香性の物質)と糞の混合物です。

そして、ワックスに包まれた塊が大きくなるにつれ、腸管に沿って移動し、直腸を塞ぐようになります。

すると、塊がどんどん溜まっていって結石化。

こうしてできるのが、アンバーグリスです。

北海でとれたアンバーグリス
北海でとれたアンバーグリス / Credit: en.wikipedia

アンバーグリスは、大量のウンチとともに排泄されるか、あるいは、アンバーグリスがダムのような働きをし、その後ろに大量に便を溜め込んだ結果、クジラの直腸が裂けることで放出されます。

つまり、アンバーグリスは、マッコウクジラのウンチか死をもって生み出される代物なのです。

アンバーグリスは水より比重が軽いため、海面を浮遊するか、海岸まで流れ着くことで発見されます。

要するに、ほとんどが偶然でしか入手できないので、希少価値が非常に高くなっているのです。

どんな「香り」を放つ?

アンバーグリスの香りの背後には、さまざまな化学物質が存在しています。

ジャスミンオイルとアンバーグリスは同じ量の化学成分を持っていますが、アンバーグリスの香りには指標となるものがないため、他の香りと同一視したり、例えることができません。

また、排出されたばかりの新鮮なアンバーグリス(黒や茶褐色)は、よい香りがせず、動物的で刺激的な糞尿の匂いがします。

これは海中での熟成期間が短く、アンブレインの含有量が少ない低級なアンバーグリスです。

標準的なアンバーグリスは、外観が灰白色で、海の中でよく熟成されており、豊かな土の香りや塩の香りがします。

また、海水やバニラ、干し草のような微妙な香りのニュアンスも放つようです。

そして、純白のホワイトアンバーグリスは、すべての中で最も洗練された香りを放ちます。