筆者は「お金の使い方をみれば、その人の本音がすべて見える」と思っている。人生の履歴書が出費に全開に出てしまい、そこには口先では誤魔化しきれないその人の性格、価値観などがわかってしまうのだ。

気持ちが若い人はお金を「人生を楽しむ道具」という感覚で丁寧に使う。他者交流の飲食代に使い、自分の能力開発のための自己投資にあて、余剰資金を投資に回す。特に自己投資については積極的な傾向がある。これは40代になるまでの人生経験を経て「自分はまだまだ変われる。ここから人生を発展していける」という自信に裏打ちされている。

一方で幼い人はお金を雑に使う。自分をよく見せるための見栄に使い、感情的に散在するかと思えば、爪の先に火を灯すようにケチケチしたお金を一攫千金を夢見てハイリスク投資をする。

そして過去に挑戦した経験がないので自己投資は絶対しない。努力する他人にベットしても、自分自身にベットして努力する道を選ばない。だから彼らは株は買っても技術書は買わない。

SNSでの振る舞い

気持ちが若い人はSNSを「リアルの拡張の場」として使う。充実したリアルな人生があり、それを拡声器のように使う。ビジネススキルや実績をSNSで活用することで潜在顧客を集めたり、良い人間関係を構築する。また、SNSは「情報収集やつながり」と実用性を重視し、あくまでツールと割り切る。

幼い人はSNSを「満たされないリアルを埋める依存先」として使う。リアルを充実させる代わりに、満たされている自分を演じてSNSに嘘と誇張を投稿して周囲の気を引こうとする。

誰しも若い時期ならこうした道を一度は通るものであり、それ自体は成長過程の一つとして致し方ないし、ほとんどは20代で虚像と実像の差を理解して卒業する。だが40代でも幼いままの人は人生経験が浅く、ずっとSNSやネットで偽りの人生を歩き続ける。炎上や揉め事にはいち早く参加して安全地帯から他人を叩いて鬱憤を晴らすのだ。