E-seedは種の上から螺旋状に伸びており、地面に落ちた後、雨が降ることでその水分を吸収して3方向に広がります。

伸びた尾による支えが3本もあるため、まるで三脚のように安定し、回転してねじ込む力も強くなります。

これにより、オランダフウロと違って平らな地面でも種子を土の中にねじ込むことができるのです。

雨を吸収すると種子を地中にねじ込む
雨を吸収すると種子を地中にねじ込む / Credit:Morphing Matter Lab(YouTube)_E-seed: Autonomous self-burying seed carriers for aerial seeding(2023)

しかもE-seedの尾は、家具などに広く使われているホワイトオーク材で作られています。

生分解性があるので、種子と一緒に自然界にばらまかれても全く問題ありません。

将来、E-seedを採用したドローン播種が可能になるなら、人間にはアクセスが難しい環境でも簡単に植物や樹木を根付かせることができます。

ドローンを使って様々な環境に「根付かせる」ことが可能
ドローンを使って様々な環境に「根付かせる」ことが可能 / Credit:Lining Yao(Carnegie Mellon University)_Engineered Magic: Wooden Seed Carriers Mimic the Behavior of Self-Burying Seeds(2023)

森林を再生しつつ、土砂崩れなどの被害を抑えることもできるでしょう。

さらにチームは、今回の研究を発展させて、種子だけでなく肥料、菌類を送達することにも成功しました。

現在は苗の植え付けができるよう、さらなる研究開発が進められています。

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参考文献

Engineered Magic: Wooden Seed Carriers Mimic the Behavior of Self-Burying Seeds
https://www.cmu.edu/news/stories/archives/2023/february/biodegradable-seed-carrier.html