一方、彼女の足の骨のX線写真によって、6歳から10歳ごろの間にひどい栄養失調だったことが分かっており、彼女の主張を補強するものとなっています。
彼女の主張がどこまで真実かを知るすべはありませんが、仮に事実だとすれば、野生児が幸せな将来をつかみ取った稀な例だと言えます。
ここまでで、動物の世話を受けた子供たちについて紹介してきました。
そしてこれら以外にも、多くの野生児のエピソードが存在しています。
それらの現実は、SNSで見かける「人間社会の中で見られる動物と子供の友情・愛」とは大きくかけ離れたものです。
連れ戻された野生児は、往々にして人間社会に溶け込むことが難しく、なんとも言えない結果になります。
もし、しばらく動物の世話を受けながら、問題なく人間社会に戻ることができた子供がいるなら、それは本当に稀で幸運なことなのです。
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参考文献
Feral Children: Mind-Blowing Cases of Children Raised by Animals
https://www.zmescience.com/feature-post/culture/bizarre-stories/feral-children/
元論文
Feral children: Questioning the human-animal boundary from an anthropological perspective
http://dx.doi.org/10.13140/RG.2.2.19691.59682
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部