「ハイチュウグローバル推進室」を23年4月に設立
なかでも米国市場で大きな伸長を続けている要因は何か。
「米国事業(実績はハイチュウ以外も含む)は、21中経の最終年度である2024年3月期で売上高目標100億円を掲げていましたが、結果として約191 億円となりました。為替の要因もありますが、直近3年間でも飛躍的な成長を遂げることができました。米国ではもともと森永製菓の商品の一つとして『HI-CHEW』が販売されていました。そこで日本人観光客やアジア系の人だけでなく、現地の人も購入していることに着目。08年に米国森永製菓株式会社を設立し、アメリカ西海岸での販売を強化しました。
とはいえ、08年当時は日系やアジア系のスーパー、地元スーパーのアジアフードコーナーなどには取り扱ってもらえたものの、一般的な菓子コーナーには並べてもらえませんでした。取扱店の拡大や菓子コーナーでの採用を目指して商談を重ねましたが、当時は企業も商品名も認知が低く、なかなか採用されない状況が続きました。
一方で、商談の際、どの小売店も『HI-CHEW』のクオリティは高く評価してくれており、米国市場における確かな手ごたえを感じていました。そのようななか、粘り強く商談を続けた結果、14年~15年頃にやっと全国規模のスーパーのキャンディコーナーに『HI-CHEW』が採用されることが決まりました。これを機に『HI-CHEW』の認知が広まりました」(同)
現在、同社は欧州市場での販売拡大にも力を入れている。どのような戦略・施策を進めていくのか。
「米国と同規模のキャンディ市場を擁する欧州への進出は、海外事業成長の大きな機会と捉え、アジアや米国といった既存エリアの深耕と並行して開拓を進めています。まずは各国において導入の拡大に努めている状況です。それと並行して認知獲得を狙ってまいります。直近では25年2月2日~5日にドイツのケルンで開催されたISM(国際菓子専門見本市 )にて『HI-CHEW』のブースを出展しました。本見本市では、『HI-CHEW』ブランドを欧州はじめ諸外国へ知っていただく良い機会となりました」
そして米国・欧州を含めたグローバル展開をさらに加速させていくという。
「グローバルにおけるブランド深耕・ブランドエクイティの最大活用・利益最大化を目的に『ハイチュウグローバル推進室』を23年4月に設立いたしました。これは包括的にブランド、原材料、生産関係の中長期戦略を策定、実行する部署になります。これにより『HI-CHEW』のグローバル化をさらに加速させてまいります」