2005年に創業し、ビジネスコーチの分野の第一人者として大企業からスタートアップまで500社以上を支援してきたビジネスコーチ株式会社は、7月10日にビジネスコーチングに関するメディア向け勉強会を開催した。
勉強会では、同社取締役副社長の橋場剛氏がビジネスコーチングの市場動向や、1対1型コーチングによる企業の経営課題の解決について解説。また、実際にコーチングを受けた経験をもつ日本電気株式会社(NEC)の上坂利文氏を迎え、コーチングから得られた成果について語られた。
研修市場では1対1型へシフトする動きが加速
ビジネスコーチング市場では、人的資本経営の考え方が広がるなかで、東証プライム上場企業を中心に、従来の集団型研修から個別の1対1型研修へのシフトが加速しているという。
「4〜5年前は集合型研修が主流でしたが、確実な成果を出すためには、1対1のコーチングで実践までフォローする育成方法が必要という認識が広がっています。実際、今年の4月から6月にかけて、当社は大手金融機関の管理職250名に対して1対1型コーチングを実施し、ピープルマネジメント力の向上を支援しました」(橋場氏)

1対1型のコーチングへシフトした背景には、働き方改革やコロナ禍によるリモートワークの急速な普及がある。急激な変化の時代に突入したことで、これまでの成功パターンが通用しにくい「正解のない時代」を迎えた。このような状況下では、経営者やリーダーも正解を持ち合わせていないため、対話を重ね、現場に近い人々の知恵を積極的に活用することが重要だ。
こうした理由から、1対1型のコーチングを通じてともに答えを見つけていく必要性が高まっている。とくに急成長するスタートアップでは経営幹部の若返りが進み、マネジメント経験のない30代の幹部育成が課題となっていることからも、コーチングの重要性がいっそう増している。