アメリカとイギリスの場合は医療機関はコスト構造に大変シビアですから、医師や看護師はシフトが終わればスパと帰ってしまいますし、引き継ぎもずさんなことが少なくありません。
イギリスとイタリアの場合は基本的に医療は国立病院で行われ、国民健康保険を払っているのであれば治療や入院は無料ではありますが、しかし医療従事者の労働時間を厳密に管理するために患者は十分な治療を受けられないことが当たり前です。
検査器具も足りず人員が不足しているために簡単な検査でも3ヶ月から4ヶ月待つことが当たり前です。イギリスのMRIやCTスキャンの数はロシアやメキシコ並みです。
日本はMRIやCTスキャンの数は世界トップクラスです。機械がたくさんあるので検査が迅速に受けられます。
イギリスの場合は検査の予約日時を選ぶことすらできません。
イギリスでは医療従事者やスタッフの都合で検査や治療がキャンセルになることもよくあります。比較的重い病気での手術でさえキャンセルになってしまい次の手術がいつになるかわからないということがあります。私の知人の中には手術を待っている間に亡くなった方がいます。日本なら助かっています。
日本は病院や医療従事者がかなり努力をしてくれているので、こういうことはありませんが。
日本の医療機関というのはかなりギリギリの状態で大変少ない予算で業務を回してくれているので欧州のように患者が不利益を被ることが非常に少ないのです。
アメリカの場合は医療は民間の医療保険で行いますので、大企業や軍隊に勤めている人は職場が負担する保険がありますが、そうではなく自営業の場合などは大変高価な医療保険を支払わなければなりません。
その費用は1ヶ月に例えば15万円ほどになることがあります。医療保険はここ20年で凄まじく高騰しているので、負担できない人は子供を諦めるということも事実です。
しかしそれでも日本のようにどこの医療機関でも同じような治療が受けられるというわけではなく、健康保険の種類や支払額によって受けられる治療は違いますし受診できる病院も限られてきます。