今回の参院選で維新の会公認であるおときた駿候補が「社会保険料を下げる改革」と題した動画をXで投稿し大炎上しております。
#社会保険料を下げる改革 pic.twitter.com/CA7xKmxTGS
— おときた駿 / 参議院東京都選挙区候補 社保下げ兄さん (@otokita) July 14, 2025
おときた駿候補は特定団体を批判する内容であって医療業界全体を批判しているわけではないとその後投稿されていますが、このような動画を見た有権者はまるで医療業界が高い医療費や医療関係者の報酬を維持するために不正を働いているような印象を受けるでしょう。

おときた候補の投稿した動画のひとコマ
確かに日本の社会保障費は高いわけですが、これは日本は超高齢化社会であり、社会保障費の多くが医療だけではなく高齢者対策に使われていることが背景にあります。
これは高齢化している他の先進国でも全く同じであります。高齢化はどの先進国でも大問題です。
そして現実問題として真面目に診療を行っている日本の医療機関の少なからずは赤字状態です。
医療関係者の報酬も決して高くありません。大学病院も私立病院も、大半の医師の報酬は欧州の公務員の医師より安く、労働条件は過酷です。アメリカに比べると報酬は更に安くなります。看護師や他のスタッフも同様です。
報酬が安すぎるので、言語や資格を緩和したとしても途上国から日本に働きに来る医師や看護師はいないでしょう。
日本の医療関係者は激務で、欧州に比べても賃上げ交渉などをするわけでもなく、欧州であれば拒否する業務をやってくれたり、資源が少ない中で大変な努力をして治療や看護、検査をやってくれているという事実を日本の有権者は理解するべきです。
これは実際に他の先進国で医療機関にかかったことがある人であればよく理解していることです。
私はアメリカ、イタリア、イギリス、中国で実際に医療機関を受診しており、家族は入院や手術経験もあります。出産はイギリスです。