■環境省は「塩素濃度の違い」指摘
猛暑日でも少し流した後であれば、温度の低い水が出てくると判明。しかし、じつは「流し始めの水道水を使うべきではない」という観点では、さらに大きな理由が存在するのだ。
こちらの背景について、環境省の担当者は「水道の水質に求められる要件に水温に関する事項はありませんが、水道水として安心して利用して頂くために、水道水中の消毒の効果を維持するため塩素を残すことが法令上定められています」と、前置き。
続けて「一般的に、長時間滞留している(流れていない)水道水は時間の経過によって塩素が減少し、特に水温が高くなると塩素の減少速度も速くなります。そのような観点から、十分な塩素を確保するためにも、屋外の水道に限らず、流し始めの水道水は飲用水として利用せず、散水や洗濯水として利用し、十分に流水したところで飲用や炊事にご利用頂くことを推奨します」と、詳細を説明してくれた。
夏は水分補給が重要な季節。しかし、屋外の水道を使用する際は、水温の面からも衛生面からも、流し始めの水を飲まないよう気をつけたい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)