加えて、地磁気によるシールドも消失するため、宇宙空間から降り注ぐ放射線や太陽風によって、地球上のあらゆる生命が深刻な被害を受けます。
そして、吹き飛んだ物体は弾道弾のような形で離れた地表に衝突して地面を砕き、破片となった残骸が宇宙空間まで吹き飛ばされるでしょう。
ジンベルマン氏によると、地球とその残骸が太陽の周りを回り続けるうちに安定し、やがて地球は自転を取り戻すという。
また、一旦は地球から離れた残骸も、やがては予期せぬ地球重力の影響によってふたたび地表に引き戻され、落下を開始すると考えられます。

無数に落下してきた残骸のエネルギーは、地殻を溶かすほどの熱を起こし、地球はやがて「溶岩の海」のようになります。
最終的に、地球の周りにあった残骸の大部分は、溶岩の海に再吸収され、そのエネルギーで地表の水分は蒸発してしまうという。
気化した水の大部分は失われますが、一部はカンラン石のような新たにできた鉱物に取り込まれる可能性があるでしょう。
また、飛び散った残骸の一部は、地球に戻ってくることなく、月の引力に捕まり、月に新しい無数のクレーターを作るかもしれません。
もちろん、これらは物理法則に則った大雑把な思考実験であり、実際に起きることは、地球を急停止させてみなければ分かりません。
そもそも、地球を急停止させるような力が働くことは現実の世界では考えにくい事態です。
起こるとすれば、そこにはスーパーマンやスーパーロボットの介入が必要になるでしょう。
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参考文献
What would happen if Earth suddenly stopped spinning
https://www.livescience.com/what-if-earth-stopped-spinning.html
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。