日々実感することはありませんが、地球は常にかなりの速度で回転しつづけています。
子供じみた想像かもしれませんが、もしこの地球の自転を、コマを指でつまむようにして急停止させたら、地球には何が起きるのでしょうか?
国立航空宇宙博物館(NASM・米)の名誉地質学者であるジェームズ・ジンベルマン(James Zimbelman)氏は「あくまで思考実験の話ですが、本当に恐ろしいことが起こる」と話します。
その「恐ろしいこと」とは一体…?
以下で見ていきましょう。
目次
- 地球上のすべてが吹き飛ぶ!
- たどり着く最終的な姿とは?
地球上のすべてが吹き飛ぶ!

大前提として、「地球の自転スピードはとても速い」ことを念頭におかなければなりません。
北極や南極などの極地では自転による移動速度がほぼゼロになりますが、赤道上は時速約1700キロメートルの猛スピードで回転しています。
そのため地表には、人や動植物、自動車、ビルなどあらゆるものが、地球という乗り物にのって同じ速度で回転しているのです。
色んなものが乗った地球の自転を急停止させるということは、いわば、混雑したバスを急停車させるようなものです。
このときどんな惨事が起きるかは容易に想像できると思いますが、乗客は慣性の法則によって、進行方向に吹っ飛ばされます。
地球も同じです。
自転が急停止すると、人や動植物のみならず、水や岩、そして大気までもが吹っ飛んでしまいます。
そのときの速度は、自転と同じ時速約1700キロメートルです。
その時点でおそらく、ほとんどの人は何が起こったのか気づく暇もなく、死んでしまうでしょう。
また、極地にいて難を逃れた人でも、恐ろしい強風や津波に襲われてしまうので、逃げ切るのはほぼ不可能です。
たどり着く最終的な姿とは?
自転が停止すると昼夜の交代もなくなり、地球の片側は常に明るく、裏側は暗い状態となります。