海洋生物学では長らく、「外洋は地理的障壁が少ないため、生物の集団は遺伝的に均一である」という仮説が支持されてきました。
しかし今回の研究は、この仮説に真っ向から反論する結果となりました。
研究チームも、「私たちは、それらがすべて同じ種であると思っていたのでショックを受けました」と語っています。
この発見は、今後の海洋生物学に大きな影響を与えるでしょう。
研究チームは今後、どのような選択圧(環境条件や競争など)がこれらの分化を生み出したのか、またこの多様性がどのように維持されてきたのかについて、さらに詳しく研究を進めるとしています。
美しい見た目に反して恐ろしい毒を持つカツオノエボシ。
電気クラゲと呼ばれるその生物の正体が、ようやく明らかになりつつあります。
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参考文献
The Portuguese man o’ war includes four distinct species, new research reveals
https://phys.org/news/2025-06-portuguese-war-distinct-species-reveals.html
元論文
Population genomics of a sailing siphonophore reveals genetic structure in the open ocean
https://doi.org/10.1016/j.cub.2025.05.066
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。
編集者
ナゾロジー 編集部