■過去には「10分どん兵衛」話題に

『どん兵衛』がのびても美味しい理由について、日清食品の担当者は「2010年から採用している独自の『3層太ストレート製法』にあります」と回答。

「『どん兵衛』の1本1本の麺は3層構造になっており、上下の1層目と3層目はつるっとした口当たりを、中心の2層目はコシが出るように設計されています。そのため、時間が経っても2層目のコシをキープしたまま、1層目と3層目にはさらにつゆが絡まってツルツル感が増すことから、美味しく食べて頂けます」と、その仕組みについて説明してくれた。

じつは、『どん兵衛』が「のびても美味しい」と話題になったのは、今回が初めてではない。

過去にも、お笑い芸人・マキタスポーツが「『どん兵衛』は10分待って食べるのが美味い」とラジオ番組で発言したことがSNSで大きな話題となっている。

これを受け、そうした事実を知らなかった『どん兵衛』担当者が、話題に乗っかる形で誕生したのが、いわゆる「10分どん兵衛」である。

当時の様子について、日清食品の担当者は「ウェブサイトで『日清食品は10分どん兵衛のことを知りませんでした』と謝罪し、マキタスポーツさんとブランドマネージャーの対談を行ないました」と振り返っており、ノリノリな対応の中にも、自社製品に対する真摯な姿勢が窺える。

そんな「10分どん兵衛」の魅力については、「麺が通常より柔らかくなることで、今話題の『博多うどん』のような食感を楽しめる点です。また、おあげにつゆが染み渡り、口の中にじゅわっと美味しさが広がります」と、力説していた。

■日清食品は「大変嬉しい」と笑顔

『日清のどん兵衛』(1976年)
(画像=『Sirabee』より引用)

そんな『日清のどん兵衛』が誕生したのは、今から約半世紀前の1976年(昭和51年)のこと。

その詳細について、日清食品は「業界初となるどんぶり型の容器を採用したほか、歴史的にうどんやそばのつゆは東西で味の嗜好に違いがあったことから、全国販売のカップ麺としては初めて、東西でつゆの味を分けて販売しました」と説明しており、革新的な商品であったことが窺える。

『日清のどん兵衛』(現行)
(画像=『Sirabee』より引用)

その後も「東西」で異なる味付けをこだわり抜き、2024年には遂に、麺・つゆ・具材・七味の全てを東西で分ける「ぜんぶ東西分け」を実現させたのだ。

担当者は「このように『どん兵衛』は発売当時より品質に強いこだわりを持ち、今日に至るまで様々な改良を続けています」と、自負する。

「10分どん兵衛」を凌駕する「2時間どん兵衛」が話題となった件について、日清食品は「今回SNSで話題になったことにより、改めて多くの方々に“普段とは一味違う『どん兵衛』の美味しさ”に気づいて頂けたことを大変嬉しく思います」と、笑顔を見せる。

続けて、「これからも魅力的な新商品や、『10分どん兵衛』を超える新しい食べ方をご提案していきたいと思います。私たちも見つけられていない『どん兵衛』の“美味しさ”がたくさんあると思いますので、皆さんのオリジナルな食べ方があれば、ぜひ教えてください」と呼びかけていた。

まるで宇宙のように、無限の楽しみ方が存在する『どん兵衛』。我々人類は、ようやくその麓に立ったばかりなのかもしれない。