日常生活で使用するテープと言えば、真っ先に思い浮かぶのはセロハンテープやガムテープ。

しかし以前X上では、DAISO(ダイソー)店頭で発見された謎のテープ商品に対し、「本当に嬉しい」と称賛の声が相次いでいたのをご存知だろうか。

■DAISOで発見したテープ、何かがおかしい…

今回注目したいのは、模型に関する動画を多数投稿しているYouTubeチャンネル「R-CRAFT」の、タナカ虫さんが投稿したポスト。

「DAISOで二度見した」と意味深なフレーズが綴られた投稿には、セロハンテープやガムテープと比較すると、やや小ぶりなテープ商品の写真が添えられている。

そしてパッケージには『スジボリ用ガイドテープ』と、謎の商品名が表示されていたのだった。

■「こんなマニアックな物まで…」

「一体何に使うのだろう…?」と首を傾げた読者も多いことと思うが、当該のポストは投稿から数日で2,000件以上ものリポストを記録するほど大きな話題に。

Xユーザーからは「こんなマニアックな物まで…!」「本当にありがたい」「DAISOさんの『これは需要がある!』と嗅ぎ分けるセンス、『こうやって使うよ』ってイラストを添えてユーザーを掘り起こしていく力がすげえなぁ」など、称賛の声が相次いでいる。

そこで今回は、謎の商品「スジボリ用ガイドテープ」の詳細をめぐり、DAISOを運営する大創産業に詳しい話を聞いてみることに。すると、多くのユーザーから高い評価を受ける、同社の優れた「嗅覚」が明らかになったのだ。

■この「ガイドテープ」が存在しないと悲惨なことに…

「スジボリ」の詳細について、プラモデルに精通したポスト投稿主・タナカ虫さんは「プラモデルのパーツのディティールアップのために、モールドと呼ばれるパーツの表面に彫り込み線や溝、くぼみや突起、それを連結してできた段差のパターン等を追加したり、強調したりする工作を指します」と説明。

一般的なスジボリの手順としては、シャープペン等で自分の入れたいディティールを下書きし、その下書きに沿ってガイドテープを貼り、ガイドテープに沿ってけがき針(金属表面に線を引く工具)であたりをつける。

そしてタガネ(金属を削ったり、切断する工具)で彫り進め、表面や彫った溝にヤスリをかけて整えていく。この際、彫る作業の「ガイド」として使用されるのが「ガイドテープ」なのだ。

その重要性について、タナカ虫さんは「これが無いとフリーハンドに近い状態で罫書く(加工に必要な印をつける)ことになるため、線に歪みやガタつきが出る可能性が高くなるかと思います」と、説明している。

『スジボリ用ガイドテープ』
(画像=『Sirabee』より引用)

つまり、プラモデルのクオリティを格段にアップさせるスジボリにおいて、当該のガイドテープは必須アイテムなのだ。

「普通のセロテープを使えば良いのでは…?」と疑問に感じた人もいるかもしれないが、ガイドテープはセロテープと比べて硬度が高く、厚みがある。

また、優れた粘着性を有しているため貼り付け後にズレる恐れもなく、それでいてテープを剥がす際にパーツに接着剤が残らない性質をしているのだ。

そんな商品がDAISOで販売しているという事実に、タナカ虫さんは「率直に驚きました。100円ショップの商品ラインナップに模型工具が少しずつ増えてきている感覚はあったのですが、ここまでマニアックなものまで…! という感じでした!」と、大いに感動している。

ぜひ、「初めてのスジボリ」にチャレンジする人も、手に取ってみてほしい。