台風の進路上にある日本では、毎年7月から10月は台風の接近・上陸が増加する時期です。毎年、平均で11個以上の台風が接近するため、日本に住む以上は台風は避けられない気象と言えるでしょう。
台風が接近・上陸すると、雨や風が強まり、甚大な被害をもたらします。特に急な突風によって障害物が飛ばされ、走行中の車に衝突する事故も多発しています。
本来なら外出は控えたほうが安全ですが、生活のために、台風が接近していても車で移動しなければならないという人は少なくありません。走行中に危険な突風による被害を軽減するためには、どのように対処すれば良いのでしょうか。
突風が発生しやすい場所と予測のヒント

急な突風はどのような場所で発生しやすいのでしょうか。また、どのような点に気をつければ良いのか、警視庁交通相談センターの担当者に話を聞きました。
「トンネルの出口や山沿いの幹線道路などは特に風が強くなりがちです。風は空気の押す力の差によって発生します。トンネルの出口付近や山沿いは、上昇気流が発生していたり、気流や気圧の変化が激しい場所です。こうした場所では、看板が飛ばされたり、人が立っていられないような風速30m/s以上の強い風が吹くことがあります。」
ひとたび台風が接近・上陸すれば、トラックが横倒しになったり、建物の外壁が剥がれてしまうほどの強い風がほぼすべての道路で吹き荒れることになります。
つまり、悪天候時にトンネルの出口付近や橋の上などを走行する際には、特に注意が必要です。風は目に見えないため、時間帯を問わず常に突風に警戒することが重要です。
幹線道路や高速道路、トンネルの出口付近、橋の上などには、風の強さを示す「吹き流し」が設置されていることがあります。吹き流しが地面に対して水平になびいている場合は、風速10m/s以上を表しています。また、出発前には気象情報で風の状況を頻繁に確認するようにしましょう。