
新たなフォーマットに改変後、初開催となったFIFAクラブワールドカップ2025(クラブW杯)は、1カ月に渡りアメリカで熱戦が繰り広げられ、7月13日に閉幕した。
これまでのクラブW杯は参加チームが7と少なく、欧州と南米が勝ち上がって決勝で対決する図式だった。今大会から出場チームは32に増え、とりわけ欧州は12クラブと突出。結果としてヨーロッパ勢が寄り切って、決勝も欧州クラブ同士の対戦となった。
賞金の分配、試合の時間帯、観客動員、大会成績など様々な点において、改めて欧州の力が強いことが示されたクラブW杯。エンタメが充実化したが、競技面では悲鳴が聞こえてくる。ここでは、日本から唯一の参戦となった浦和レッズが惨敗した今大会を振り返り、急務となっているJリーグの強化策についても考えてみよう。

優勝はチェルシー
13日に行われたクラブW杯決勝戦では、チェルシーが下馬評を覆し、パリ・サンジェルマン(PSG)を3-0で下した。試合後には両軍が入り乱れた乱闘騒ぎも起こった。2024/25シーズンに国内3冠(リーグ・アン、カップ戦、CL)を達成したPSGと、UEFAカンファレンスリーグ制覇のみのチェルシーでは、勝利への渇望に違いがあるようだった。
この試合で2ゴール1アシストと全得点にからんだチェルシーのMFコール・パーマーが、大会最優秀選手に輝いた。最優秀若手選手に選出されたPSGのFWデジレ・ドゥエ(20歳)は、全試合に先発出場。決勝戦の67分には、脚の痙れんを起こして倒れ込んだ。試合中盤ながら相当な疲労が蓄積していた模様だ。

会長は大成功だったと総括
決勝戦の前日にニューヨークのトランプタワーで記者会見したFIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長は、大会は大成功だったと総括。「この大会は20億ドル(約3,000億円)以上の収益を生み出し、1試合あたりでは3,300万ドル(約50億円)に相当する」と、世界のクラブサッカー黄金時代の到来を宣言した。