
COLOMBIA, METRO DE BOGOTÁ CON EMPRESAS CHINAS.10-07-2025.
南米のコロンビア、中国企業と地下鉄建設で接近 米国は警戒感
南米のコロンビアは、これまで米国にとって“航空母艦”的な存在であった。
そのコロンビアが中国企業と地下鉄建設工事の契約に合意してから、48時間も経たないうちに、米国国務省がこれに対して警告を発した。
コロンビアは、南米において米国が最も信頼を寄せてきた国である。そのコロンビアで、2022年に左派系の元ゲリラ戦闘員であるペトロ上院議員が大統領に就任したことを契機に、両国の関係には陰りが見え始めている。
コロンビアでは長年にわたり右派政権が続いてきた。加えて、同国はコカインの主要な生産国であり、その多くがメキシコを経由して長年にわたり米国に密輸されてきた。これを防止するため、米国はコロンビア政府に対し、コカの栽培を減らすよう支援金を提供してきた。
しかし、ペトロ氏が大統領に就任して以降、米国との協力姿勢は次第に後退している。さらにペトロ氏は、コカインの合法化を志向しているとされる。これは、現在も彼が麻薬組織の影響を受けているためだという見方がある。実際、彼の大統領選挙資金の一部が麻薬組織から提供されていたことが、長男の自白によって明らかになっている。
コロンビア、中国の「一帯一路」構想に参加
ペトロ大統領は社会主義国家を志向する思想家であり、中国が提唱する「一帯一路」構想への参加を決定した。これにより、中国はコロンビアへの影響力を強める動きを開始した。
これまで中国は、コロンビアが米国の強い影響下にあることから、進出には慎重だった。だが、首都ボゴタにおける地下鉄建設を皮切りに、中国企業が本格的な関与を始めている。この建設には、米州開発銀行(IDB)からの融資が予定されている。第一段階として6億ドル、第二段階として4億1500万ドルの融資枠が設定され、初回の融資額はそれぞれ7000万ドル、5000万ドルとなっている。