中国はイスラエルとイラン戦争で中立国のように振る舞い、仲介役を申し出たが、イスラエル側からは完全に無視されたことで、北京の中東外交の限界を暴露した。一方、ロシア軍が侵攻したウクライナ戦争でも北京はウクライナとロシア間の調停に意欲を示した時もあったが、キーウからは中国がロシアに無人機やミサイルなどのほか、先端機材を密かに提供していることが暴露され、北京の調停案は一蹴された。

中国は中立を装ったとしても、イランと北朝鮮と共に、ロシアの完全な同盟国であるという事実は変わらない。ウクライナ戦争では北朝鮮と共に参戦国の一国といっても言い過ぎではない。ウクライナで数万人の兵士、民間人が犠牲となっているが、その戦争犯罪に対して国際刑事裁判所(ICC)はロシアの最高指導者プーチン大統領を戦争犯罪容疑者として拘束するようにICC加盟国に通知したが、中国の習近平国家主席も北朝鮮の金正恩総書記と共に、戦争犯罪への関与容疑でハーグに送られても不思議ではない指導者だ。

ロシア軍は9日夜、700機以上のドローンでウクライナを攻撃した。これは2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来、過去最多の規模だ。ウクライナ軍によると、ロシア軍は728機のドローンと13発のミサイルを使用した。ロシアは6月29日と7月4日にも、それぞれ500機以上のドローンを用いた大規模な空爆を実施したが、9日のそれは大きく上回っていた。現地からの情報によると、ロシア軍はキーフに向けてキンジャール極超音速ミサイルを発射したという。

ウクライナ軍のシルスキー司令官によると、モスクワは開戦以来、ウクライナに向け約2万8000機の長距離ドローン「シャヘド」と「ゲラン2」を発射した。「シャヘド」はイラン製で、「ゲラン2」はロシア製だ(「シャヘド」を土台として製造された無人機)。

ロシアはここ数ヶ月、ドローン生産を大幅に強化している。ウクライナ軍元将校Tatarigami氏が設立した戦争・紛争分析チーム「フロンテリジェンス・インサイト」のウクライナ戦況報告によると、ロシアは2月から4月だけで月間1,850機のゲラン2型ドローンを生産した。さらに、ウクライナ軍事情報局(HUR)によると、ロシアの兵器メーカーは現在、月間約200発のロケット弾と巡航ミサイルを生産している。そのほか、北朝鮮はロシアに弾薬や弾道ミサイルを供給しており、イランは長距離ドローンを支援してきた。