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とはいえ、モアの復活プロジェクトはまだ始まったばかり。
研究の第一段階では、保存状態の良い骨からDNAを抽出し、現存する鳥類、特に近縁種とされるエミューなどのDNAと比較します。
そして、モアに特有の遺伝子を特定し、それを現存種のDNAに組み込むという手法が取られます。
こうして蘇った個体は、囲われた自然保護区で生活させる予定で、野生には放たれず、動物園での展示も行われないとされています。
プロジェクトは華々しく発表されましたが、専門家たちからは厳しい意見も寄せられています。
ニュージーランドのオタゴ大学で動物学を研究するフィリップ・セドン教授は「復活するのはあくまで“モアのような鳥”であり、本物のモアではない」と断言しています。
絶滅してから何世紀も経過し、生態系の中での位置づけや進化的文脈を失った今、元通りの生物を復元するのは不可能だというのです。
また、過去にコロッサル社が「ダイアウルフを復活させた」と発表した際も、実際には灰色オオカミに20カ所の遺伝子改変を加えた“似た姿の動物”にすぎず、多くの専門家から「名ばかりの復活」と批判されました。
さらに保全生態学の第一人者であるスチュアート・ピム教授(デューク大学)は「見た目だけが似ている生き物を作り出すのは、まるでフランケンシュタインの物語のようだ」と懐疑的です。
こちらはプロジェクトの概要をまとめた動画。
一方で、研究によって得られる知見や技術は、他の絶滅危惧種の保護にも役立つという見方もあります。
人工卵の開発やDNA操作技術の応用によって、絶滅寸前の鳥類を救う道が開けるかもしれません。