数多くあるFX口座だが、どういった場合に口座を変更するべきなのだろうか?ここではFX口座を移動・変更するメリットやデメリットやステップを紹介。口座を変更することで、得られる利益が増える場合もあるので、今FX口座を持っている人は参考にしてもらいたい。

目次

目次

  1. 1,FX口座を移動する3つのケース
  2. 2,FXの口座を移動する3つのメリット
  3. 3,FX口座を移動する方法を3ステップで紹介
  4. 4,FX口座を移動する3つの注意点・デメリットは?
  5. 5,いろいろなFX会社を比較して移動を検討してみよう

1,FX口座を移動する3つのケース

FX口座を移動するケースには、どのようなものが考えられるだろうか。「今の口座に満足していない」「より好条件のFX口座が見つかった」「別の通貨ペアで取引したい」「何らかの理由で資産管理を行う場合」などさまざまな理由が挙げられるだろう。

ここでは、口座を移動する3つのケースについて細かく解説する。

ケース1,スプレッドを抑えたい

FXでは、口座の維持手数料や取引手数料がかからない会社が多いため、必然的にFXにおけるコストの多くはスプレッド(売値と買値の価格差)となる。スプレッドが大きければ大きいほど手数料としてFX会社に支払う割合が大きくなるため、大きな金額の取引を行っている人であれば、スプレッドが小さい会社を選びたくなるのは当然だろう。

そのため、より小さなスプレッドのFX会社に口座を移動するケースが考えられるのである。

ケース2,新しい通貨の取引を行いたい

FXで大きく稼ぐとなると高金利での運用が考えられるが、必ずしもすべてのFX会社がメキシコペソなど政策金利の高い新興国通貨に対応しているわけではない。そのため自分が取引したい通貨を扱っているFX会社に口座を開きたいと考えるのは自然な流れだろう。

今よりも高金利な通貨の取引を行いたいと考えているケースでは、トルコリラやメキシコペソなどの高金利通貨を多く扱っているFX会社に口座を移動するという選択肢がある。また、以前から高金利通貨を扱っており、これまでのデータや知見が蓄積されているFX会社には、情報を求める多くのトレーダーが集まる傾向にある。

ケース3,資産の管理を行いたい

大きな金額の取引を行いたいという理由で、いくつかに分けていたFX口座をひとまとめにするというケースもある。また、口座を増やしすぎて情報の把握・管理が追いつかないため口座を整理するという場合もある。複数の口座を作ることにはメリットも多いが、同時に複数の情報をやり取りしなければならないなどの負担もあるため、ときにはこうして資産管理を行うこともあるのだ。

2,FXの口座を移動する3つのメリット

FX口座の移動にはいくつかのメリットがある。それはFX取引での利益が大きくなることであったり、キャッシュバックなどの特典を受けられたりすることなどである。以下では、代表的な3つのメリットを解説していこう。

メリット1,利益率の向上につながる

FX口座を移動するケースでは、「今よりもいい条件で取引したい」という希望を持っている場合がほとんどだ。より小さなスプレッドを求めて移動するケースも、その考えに基づくものである。自分の運用方法に適したFX会社を選び、きちんと比較検討した上で口座の移動を行えば、これまでよりも低いスプレッドで運用できるなど、利益率の向上が期待できるのである。

メリット2,情報収集力の向上、取引ツールの比較検討が可能になる

FX口座の移動によって得られるメリットは、低スプレッドや高スワップだけではない。移動先のFX会社が提供している情報サービスを新たに受け取れるようになるのは大きなメリットのひとつといえる。複数の会社で口座を開設すればさらに多くの情報が得られ、より多角的に分析を行えるようにもなる。

また、FX会社ごとに異なる取引ツールを実際に扱って使用感を確かめることもできる。自分に合った取引ツールを提供してくれる会社で運用するといった点からもFX口座移動のメリットは大きいといえるだろう。

メリット3,さまざまな特典が受けられる

FX会社では、しばしばキャンペーンを行ったり、新規口座開設時の特典などを用意したりしていることがある。FX口座を新しく作るだけで特典がもらえたり、キャンペーン期間中に一定額以上の取引を行うとキャッシュバックされたりするなど、顧客を獲得するために行っている各社の活動は、ユーザーにとっても大きなメリットであるはずだ。

前述した利益率の向上や情報収集といった考え方に合わせて、各社が用意するキャンペーンの対象となるように運用してみるのもいいだろう。

3,FX口座を移動する方法を3ステップで紹介

FX口座を移動することでいくつかのメリットを享受できる場合があるが、なかには口座を移動させる方法がいまいちよくわからないという人もいるかもしれない。そこで、FX口座の移動はどのようにして行うのかを具体的に解説していく。

ステップ1,事前調査を行う

FX口座を移動しようとする前に、現在運用している会社のスプレッドやスワップ(2つの通貨の金利差から得られる利益)などの諸条件を確認しておこう。より好条件なFX口座を求めて移動するならば、それらの数値を基準にして移動先を探すことになるからだ。

そして、いくつかの移動先候補をピックアップしたら、スプレッドやスワップ、取引単位、約定率、取扱通貨などの諸条件を十分に比較し、自分の運用にとって最も好条件といえる会社を選ぼう。その際、いくつかの口座を同時に運用したいと考えるのであれば、ひとつの会社だけではなく、複数の会社に口座を分散して移動することを検討してもいいだろう。

ステップ2,移動先のFX口座開設と資金の振替

次に、移動先のFX口座を開設し、資金を移動する作業に移る。ひとつの会社に複数のFX口座を持つ場合を除き、異なる会社のFX口座間で資金を移動する場合には、一旦銀行などの金融機関に振替を行わなければならない。

ステップ3,金融機関から移動先のFX口座に入金する

つづいて、金融機関から移動先FX口座への入金処理に移る。

金融機関とFX会社のどちらもネットバンキングに対応しているならば、ネット上で金融機関から移動先FX口座への入金処理を行えば移動は完了となる。どちらかがネットバンキングに対応していなければ、一度現金化して指定口座に振り込めば移動が完了する。

4,FX口座を移動する3つの注意点・デメリットは?

FX口座の移動はそれほど難しいことではなく、さまざまなキャンペーンの恩恵を受けられることからもメリットの高いものだといえる。では逆に、注意点やデメリットにはどのようなものがあるのだろうか。

注意点・デメリット1,FX口座登録先から大量のメールが届く

FX口座を移動するということは、基本的には新しい口座を開設するということになる。そうすると、必然的に新しい口座開設先のFX会社からもFXにまつわる情報などが届くようになり、結果として各社から多くのメールを受け取ることになってしまう。

FX口座を移動する際、移動のたびにそれまで使っていた口座を解約すれば届くメールの数も少なくなるかもしれないが、解約をせずに移動する場合や、そもそも使っていた口座を解約できない場合などもあるため、そういった場合はやはり数多くのメールを受け取ることになる。

このように、多くのメール処理が面倒だと感じる人にとってはデメリットになるといえるだろう。

注意点・デメリット2,塩漬けのポジション損失などの含み損が出ることがある 

FX口座を移動するということは資金をそのまま移すということになり、現在取引中である全てのポジションを決済しなければならない。塩漬けになっていたポジションが損失になることをおそれて、なかなかFX口座を移動させられない人もいる。

なかには「GEMFOREX」(ゲムフォレックス、ニュージーランドのFX会社)が行っているキャンペーンのように、他社からFX口座を移動させた際に塩漬けになっていたポジション分の損失を補填してくれるというケースもあるが、そういった特例を除けば、ポジションを抱えている人は移動の際に大なり小なりの損失を負うことになるのだ。

注意点・デメリット3,海外FX会社に移動した場合、勝手が違って戸惑うことがある 

人によっては、非常に高いレバレッジなどが魅力である海外のFX会社に口座を移動するということもあるだろう。しかし、海外のFX会社にもデメリットはあるため注意が必要だ。

たとえば、海外FXでは出金する際にかかる時間と手数料が大きいことには注意を要する。出金時には海外の銀行から送金されることとなる場合が多く、手続きを行ってから数日間を要したり、多額の手数料を取られたりするのだ。

また、海外FXでは取引で得た利益が一定金額以上になると、日本以上に高額な税金を課せられることにもなる。日本では一律20.315%の税率だが、海外FXでは利益に応じて少しずつ税率も高くなる総合課税(給与所得などと合算して税額を算出すること)となっているため、高額な取引を行う人にとっては明確なデメリットといえるだろう。

5,いろいろなFX会社を比較して移動を検討してみよう

しっかりと探してみれば、現在よりももっと適したサービスを受けられるFX会社があるかもしれない。場合によってはより大きな利益獲得につながることもあるため、今のFX口座に満足している人もしていない人も、一度今のFX会社とほかの会社とを比較して、口座の移動を検討してみてはいかがだろうか。

近藤真理
監修者・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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