これらは全て増え続けるアメリカの財政赤字の穴埋めのためであり、先日のブログでもちらっと申し上げた税の三極、国と企業と個人の関係を再構築するということです。では、この重課税国に他国企業が本当に投資をしたいのか、といえば個人的には疑問視しています。今は過渡期なので対策を練らねばと焦る一部の企業がアメリカへの投資を打ち出していますが、「本当に売れるの?」と冷静に考えると一歩立ち止まりたくなるところでしょう。
もう1つ読み切れないのはトランプ氏は残り3年半しかないこと。その後を誰が引き継ぐかは現時点では全く読めませんが、トランプ氏ほど胆力がある人は現れることはなさそうです。とすればむしろ世界は次の人を「別の意味で待望」しているわけで次期大統領にかかるプレッシャーは相当なものになり、民主党政権になるようものなら「大オセロ返し」すら起こりえるわけです。
学者ならこう読むのでしょうか?「国政が180度ころころ変わる国は信用度が低い。現在の国債の信用レーティングも先行きネガティブ、アメリカ中心の世界経済もリスクヘッジを進めて地球規模の多極化体制に移すべきであろう」と。
石破首相の話に戻すと、恨んでもいいのですが、交渉の成果がない以上、私なら「二倍返し」するしかないと思っています。関税問題で直接ガチンコ勝負をすると瞬間湯沸かし器のトランプ氏の頭から湯気が立ちのぼるのでアメリカに「やられた―」とぎゃふんと言わせるぐらいの策を考えてもらいたいのです。例えばアメリカのGAFAMクラスの企業の本社を税の特別待遇で日本に持ってくるとか。要は誰も考えないような「うそでしょ!」というアイディアを出してみたら、ということです。
ところでサンドバック状態のパウエルFRB議長。氏の予想は関税がアメリカの物価高を招く、よって今の金利水準を下げるのは時期尚早というのですが、消費は物価高について行けないとみています。よって腰折れのような景気後退、及び企業倒産が起きる可能性があります。特に不動産関係が厳しさを増しており、建設物価上昇で消費者の手が届かなくなる新築物件に対して地域により2-3割下がってきている中古物件との差が大きくなる典型的な需要減退が起きている可能性があります。よって個人的にはFRBは金利は下げざるを得ないところに早晩追い込まれるとみています。