テクノロジーは芸術にとって新しい道具だ。過去のアーティストたちも、シンセサイザーやドラムマシンを導入してきたじゃないか。

AIだって、その延長に過ぎない」

彼は「文化はルールに従って生まれるものではなく、奇妙な実験の繰り返しの中から発展してきた」と語り、AIという道具で新しい“音楽の現実”を描こうとしているのです。

The Velvet Sundownは、リスナーの耳を魅了した“実在しないバンド”です。

私たちは今、「誰が演奏したのか」という問いよりも、「それを好きかどうか」という問いのほうに重きを置く時代に入りつつあります。

このバンドが突きつけたのは「音楽の価値とは何か」「本物とは何を指すのか」という根源的な問題でした。

もしかしたら、AIが作った音楽をリスナーが受け入れる未来は、もうすでに始まっているのかもしれません。

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参考文献

New Viral Indie Rock Sensation Reveals They’re 100% AI
https://www.sciencealert.com/new-viral-indie-rock-sensation-reveals-theyre-100-ai

The Velvet Sundown explained: What’s behind the Spotify-verified AI band controversy?
https://www.euronews.com/culture/2025/07/08/the-velvet-sundown-explained-whats-behind-the-spotify-verified-ai-band-controversy

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部