過去2か月間で新教皇が下した重要な決定は、前教皇フランシスコが推進した教会刷新(シノドス)の日程を正式に承認したことだ。バチカンのシノドス事務局によると、レオ14世は6月26日、カトリック世界会議の実施に関して前教皇が設定したスケジュールを順守することを明らかにした。ちなみに、バチカンの「シノドス事務局」が今月6日発表した「シノドス実施段階の概要」と題された16ページの文書によると、2026年末まで各地方教会で協議と取り組みを進め、2027年前半には教区レベルの会合が予定されている。その後、2027年後半には、国内および国際の各司教協議会レベルで会合が行われ、大陸会議は2028年春に開催され、最終的に同年10月にバチカンで「教会会議」が開催されることになっている。

注目されている点は、レオ14世教皇の最初の使徒的訪問だ、バチカンからの情報によると、レオ14世はこの秋、西暦325年に開催されたニカイア公会議(二ケア公会議)の1700周年を記念し、ニカイア(現在のトルコの都市イズ二ク)を訪問するのではないか、という情報が流れている。

レオ14世は6月7日、バチカンで開催されたアンジェリカム(エキュメニクム)と国際正教神学協会が共催するシンポジウム「ニカイア会議と第三千年期の教会:カトリックと正教会の一致に向けて」で、「ニカイア公会議は単なる過去の出来事ではなく、全てのキリスト教徒の完全な目に見える一致へと私たちを導き続ける羅針盤だ。私たちが共有するものは、私たちを隔てるものよりも、量的にも質的にもはるかに大きい。私たちは共に、三位一体の神、真の人であり真の神であるキリスト、そして教会で読まれる聖書に従い、聖霊の導きのもとに、イエス・キリストによる救いを信じていることだ」と説明し、ニカイア公会議の精神に戻り、この共通の源泉から学ぼうと呼びかけている。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年7月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。